システム移行プロジェクトの落とし穴
制度会計との闘い
10年ぐらい前、私がCTOをしていた時の話になります。
その当時、保有しているシステムがビジネスの変革とともに機能がそぐわなくなってきたため、システムを刷新しないとビジネス支援ができなくなる状態でした。
試算してみると結構な金額のプロジェクトになったのですが、ここで思わぬコストシミュレーションをしないといけなくなったのが、現行システムの未償却資産
会計上、システム移行にて現行システムを置き換える場合、現行システムの未償却資産を一括償却しないといけないのですが、新規構築コストの資産償却計画に加えて、現行システムの資産償却も計算する必要が出てきました。
しかも、置き換えるシステムが大規模な範囲で置き換えを行う予定であったため、現行システムの除却もいくつかの異なるシステムを償却する必要があり、機能単位で順次おきかえていく計画でスケジュールを組んでいたため、償却タイミングを複数のタイミングで検討しないといけなくなりました。また、それらの残償却コストがが利益を大きく毀損しないように、移行タイミングの調整を図ることが必要でした。
システムの減価償却を複数年にしていないのであれば、残存資産償却を考える必要はないですが、IT業界は、比較的、システムにかけるコストが大きいため減価償却の考えを持つ会社は多いかと思います。
システムのリプレイスを計画する必要がありましたら、計画の段階から財務部と話して、システム側の事情もありますが、経営の数字を作りこむにはどのタイミングがよいのか?というのも経営企画もしくは財務部と話ながら進めるのがよいかと思います。