CTO/CIOとシステム部長の違い
社長とシステム部長間のギャップ
エンジニアのキャリアパスとして、CTO/CIOを目指したいという方の相談を受けることがある。一方、私が支援している複数の会社の社長から、システム組織の相談を受けることもある。
その際、システムのTOPの方と面談するのですが、社長が考えている課題とシステム部長が考えている課題にGAPが大きいことが多い。
理由としては、視野の違いがある。社長は経営面からシステムに対する思いを語ってくる一方、システム部長は自分の仕事の領域の話をしてくる。その理由を考えると、2つのケースが考えられる。
1.システム部長の能力の限界
エンジニア生え抜きの部長の場合、自身がしてきたシステム開発・運用
の知識があるものの、会社の業務・会計の知識が乏しいため、システム
関連にかけられるコスト・その効果について語れない。
2.会社の事業の方向性が決められていない。
会社の将来ビジョン・課題が共有されていないため、システムを使
って、何を課題解決してよいかが見えない。そのため、社員は現状維持
をしようと必死に努力している。
1は、システム部長の意識改革が必要で、2は、社長の意識改革が必要となる。そのため、1では、エンジニア組織のマネジメント層のトレーニングを行い、2では、社長の壁打ち相手となり、社長は悩みをもっていることを幹部社員にさらけだすところから始めることを促している。
CTO/CIO教育
上記1,2のいずれかの課題にせよ、結果的には、経営のコミットできるシステム部門の長(ここでは、システム部長という言葉は混乱するので、あえて使わない)を配置できるかにかかる。
その経営のコミットできるシステムの長がCTO/CIOと呼ばれるようになる。
CTO/CIOが行う役割としては、例として下記があげられる。
財務諸表から、会社がもつ課題をマクロ的に把握する。
中長期経営計画から準備しないといけないシステムリソース(人・もの・金)を検討し、その効果(ラフなROI)を算定し、投資提案の準備を行う。
業務部門(マーケティング・営業・製造・総務・人事)と会話をして、将来に発生する会社の課題をどうしたら乗り越えられるアイデアだしをする。
システム部門の将来およびそれに求められるキャリアを定義し、部下に発表する。
現状のシステムの課題および負債をどのタイミングで消していくか、システムの改善計画を練る。
今後、システムとしてどのようなコンポーネントを採用してよいかのグランドデザインを検討する。
現在の協力会社と将来協力できる分野があるかをヒアリングする。
今後実施する内容を支援できる会社を探す。
など、プログラマー・SEの知識が有用なのは、6.7.8ぐらいで、あとは経営・業務の知識を学んでいかないと、なかなか社長の右腕にはなれない。
今後、情報システムがますます、会社経営に対して重要な位置を占める(売上向上・固定費削減・新規事業開拓など)ようになるため、この立ち位置の方をどう呼ぶかは会社によって違いますが、今後、誰かが担う必要があります。
次回は、以下にこのポジションの方を探すか?について記載します。