ニューヨークの好きな建築５選
引っ越してしまって思うのだけど、やはりニューヨークは見るべき建築がたくさんあった。中でも私が好きな建築を５つ挙げてみる。
北から南へいくよ〜
① グッゲンハイム美術館
フランク・ロイド・ライト設計、1959年竣工。デザインの完成から竣工まで10年余りを費やし、できあがったのはライトの死後半年後だったそう。カタツムリの殻を連想させる外観が特徴的だ。
大昔、学生時代にニューヨーク旅行で訪れたことがあって、20数年ぶりに再訪できた。建築が「変わらずそこにある」ことにとてもとても感動した。これって当たり前のようで、当たり前じゃないから。
毎年、6月にはMuseum Mile Festivalというイベントがあって、アッパーイーストサイド、５番街の82ストリートから110ストリートに集まるミュージアムの入場料が無料になる。以前、通りがかかった時はすごく混んでいた。
メトロポリタン美術館やクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館もこの圏内。合わせて行くのもおすすめ。
ちなみに『Pay What You Wish』という取り組みがあって、あなたが望む金額で入場してもらってもいいですよ、というもの。グッゲンハイムでは毎週月曜日と土曜日の4:00〜5:30に実施している。つまり、１ドル払えば入場できる。ここから予約が必要。前はウェブ予約なんてなくて、該当時間はずらーっと並んでた。
他の美術館でも同様の取り組みがある。この記事などを参照ください。
② シーグラム・ビルディング
ミース・ファン・デル・ローエ設計、1958年竣工。当時のシーグラム社（カナダの酒造会社）の社長の娘はイエール大学で建築学を修めており、自社ビル建設の際には建築家選定に携わった。
ブロンズ材のフレームとグレイのガラスで構成されたそのファザードはいつ見上げても、ピリッとした気分にさせてくれる。
斜向かいにはレヴァー・ハウス（SOM）。MoMA（谷口吉生、D&S+Rほか）も徒歩圏内。
ビルの中には、ミースとフィリップ・ジョンソンがデザインしたThe Four Seasons Restaurantがあったが、現在はThe Grillというレストランに形態を変えている。
③ ザ・ハイ・ライン
ミートパッキング地区から北は34ストリートまで、廃線の高架上に作られた公園／緑道。2009〜2014年に３回に分けてオープンされた。建築部分のデザインは、ディラー＆スコフィディオ＋レンフロ（D&S+R）。
以前、このあたりはもともとあまり治安が良くなかったそうだが、ハイライン開業によって、コンドミニアムや美術館、ギャラリー、ハイブランドブティックが立ち並び、再開発の手本となった。
ハイライン沿いには「520 West 28th」（ザハ・ハディド）、「ハイライン23」（ニール・ディナーリ）などのコンドミニアム、「ホイットニー美術館」（レンゾ・ピアノ）などがある。
歴史や記憶の継承がリノベーションの醍醐味だと思うけど、ハイラインでは線路がスーッと庭の中に消えていったり、ニューヨーク原産の草花が植えられていたり。建築と庭のデザイン、アートの配置、そこでの人々の営みのバランスがとてもよかった。
④ ストアフロント・美術建築ギャラリー
スティーヴン・ホールとアーティストのヴィト・アコンチによる設計で1982年にオープン。およそ30×1×6mの三角形の建物の１階部分で、間口が広く奥行きが狭い。
壁の一部が回転して、その部分が入口になったり、窓になったりして、内と外が曖昧になる仕組み。だと思ってたんですが、実際に訪れると、曖昧に内外が滲んでいるというよりは、特異な機構の開口部によって切り取られたことによって「向こう側」がより意識されるという印象だった。外観のデザインは展示により変わるみたい。
クーパー・ユニオン（モーフォシス）、ニューミュージアム（SANAA）が徒歩圏内。
⑤ TWAホテル
もともとはトランス・ワールド航空のターミナル「TWAフライトセンター」で、エーロ・サーリネン設計、1962年にオープン。2001年にTWAが廃業して以来閉鎖されていたが、2019年にホテルにコンバージョンされた。
曲線的な外観とそれにともなう内部空間、２階部分は緩やかな曲線をえがくブリッジでつながっている。
こちらのホテル、ぜひ泊まってみたいと思っていたけど、プールが入れる時期がいいなあ、とかぐずぐずしてたら結局泊まることができず。平日は$272〜で泊まれるようだから、ニューヨークのホテルの中ではお買い得感がある。
JFK空港はマンハッタンからまあまあ遠いので（車で１時間くらい）、飛行機がJFK着ならば、着いたその足でエアトレインに乗って、ターミナル５に行くのがおすすめ。
