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勝手にオマージュ Vol.1!会田誠さんに届け!あぜ道 NO10

その日髪を短く切った香の頭部からは、あの分け目が消滅していた。

分け目の消滅を知ったみなこは絶句し、絶望し、盗んだバイクで走り出す。

あぜ道の両脇に広がる田んぼにはレンゲの花が咲き乱れ、

幼い時、まだ香の分け目の皮膚に執着のなかったあの頃に、

レンゲで作った花輪で香の頭上を飾ったことを思い出し、

するとなぜだかするすると香の分け目に対する執着が消えていき、

家に戻るやいなや小瓶から香の皮膚を取り出し口に放り込んでから、

はや三年が経ちました。

写真:執着喪失

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