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ヌカヅケ小説            ヌカヅケのヒッ! NO.13

「かの国では売り買いする時、ヌカヅケでなく揚げたニワトリを使うらしいわよ」


 手羽先に挑む女がそういった。

するともう一人のつくねに黄身を絡める女が「信じられない!」と頬をつねった。手羽先女は話を続ける。


「ほら、わたしたちがヌカヅケを使い始めた時、かの国の人たちは、臭い、野蛮だって非難したらしいけど、わたしは揚げたニワトリを使うほうがよっぽど野蛮だと思うわけ。

しかも消費期限がすごく短い。

なんでも、揚げたてを配付して熱々のうちに使わないとダメなんですって。

やっぱり、あれよ。あの人達。すぐに効果を求める、こらえ性のない人種よ。

熱いうちに使わせて、他より交易が盛んであることを見せびらかしたいのよ。彼らには熟成という概念がないのね」


手羽先女はそこまでまくしたてたなら、ジョッキのビールを飲み干した。


「そのうちわたしたちからヌカヅケを取り上げて、揚げたニワトリを替わりに使えなんていいだすんじゃないかしら?」


 つくね女が黄身の混じった唾を飛ばしながらそう返したと同時に、目の前に焼き鳥が置かれ、店主はそれと引き換えにわたしの差し出したキュウリのヌカヅケを五分の一程度、包丁で切り取り瓶に入れた。


写真 : かの国で使われている揚げたニワトリ

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