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ギターとおしゃべり

息子が今使っていない
青いギターを借りて弾き始めた。
幼い頃母から教わった
「禁じられた遊び」だけ
かろうじて指が覚えている。
とはいえドレミファソラシドも
思い出せない。

チューニングをして音を出してみる。
つっかえてメロディにならない。
禁じられた遊びを繰り返す。

他の曲を弾きたくなる 。
YouTube で調べて
ハッピーバースデーのコードと
スタンドバイミーの伴奏を
指示通りにやってみる。

ぎこちない指の動きが
ほんの少しずつ滑らかになる。
その変化が快感。

気づくと部屋は暗い。
指も痛くなり手もがちがち。
それほど夢中になるって
人生の醍醐味だ。

お隣さんがいつの間にか帰宅していた。
物音にも気づかなかった。
きっと休んでいるだろう。
下手な不快音を何度も聞かせて
ごめんなさぁいと心の中で謝る。

もうひとつ最近 始めたことは
YouTube でのおしゃべり配信。

イタリア語・日本語を
教える動画を作ってみたら?
と言われたことがある。

だけど言語だけを教える動画って
ピンとこなかったし
ちっとも楽しくなさそう。
だから動かなかった。

ある人のおしゃべり配信を
聞きながら針仕事をしていた。
声や話し方が私に似ている。
テンポや笑い方は違うけど。

ふとイタリア語の単語を
キーワードにして
自分の言いたいことを喋るなら
楽しそうだと閃いた。

作ってみた。
自動的に選ばれるサムネイルが
1本目は綺麗に表示されなかった。
2本目からは画面を固定。
これは楽しい!

デジタルコラージュの画面を
作るのもおもしろいし
切り替え画面がひとつだから
編集作業も簡単。

最初から選んだ単語が
ずっと表示されているので
聞き流しラジオのように
聞いてくれる人にともっても便利。
気合を入れて一生懸命
画面にかじりつく必要がない。

軽いおしゃべり配信でも
言いたいことは言う。
きつい言葉は選ばないけど。

それを始めたら逆の
日本語をキーワードにした
イタリア語での配信も
やってみたくなった。

台本なしでしゃべるイタリア語は
文法的にも間違いだらけで
不自然な表現がたくさんある。
でもそれでいい。

私は日本人だ。
イタリアで育っていない。
母国語のアクセントまるだしの
外国人のおしゃべりは
ちっとも嫌な感じがしない。
言いたいことを伝える。
それでいいのだ。

つたない演奏とおしゃべり。

一点突破なんてやらない。
北斗の拳の秘孔を突く技のように
目に見えないスピードで
あたたたたたたたっ!っと連打。

お前はもうすでに死んでいる。

大人です。
なんでもわかってます。
恥ずかしいことはしません。

と言うすまし顔のワタシを打ちのめす。
なにがあってもなにをやっても
自分を見守ってくれる存在が
困った子ねえと笑いながら
微笑んでいる。

寒さの戻った日曜日。
あたたかいミルクティーで
朝ごはんをいただきます。

素敵な1日をお過ごしください。

(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2022.4.3 転載)

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