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IX (Individual Transformation) ~ミドル・シニアのキャリア創造の鍵は『解放→気づき→行動』の3ステップ

私のパラレルキャリアde志事「ファンリーシュ」の活動として、今、一番情熱を注いでいるのは、「ミドル・シニアのキャリア創造」。
理由は、自分が同年代であり他人事とは思えないというのはもちろんだが、それ以上に、技術革新による社会産業構造の変化、雇用の在り方、人の思考や意識の変化、のアップデートが日に日に速まっており、『仕事』『働き方』『キャリア』すべてが、私が子供の頃に描いていた常識が常識ではなくなっている今、「どうせなら、未来のキャリアへを不安に思うのではなく、自分で創りだせる、選択肢がたくさんある、という、ワクワクする期待に変えたい!」という強い想いが自分の中から沸き起こってくるから。

私の「ミドル・シニアのキャリア創造」の情熱を具体的にしているのが、ファンリーシュIX(Individual Transformation)プログラム(詳細はこちら)であり、2022年5月~8月までのファンリーシュIX(Individual Transformation)プログラムで参加者と向き合いながら、私が学んだこと、をここで記録しておきたい。

「会社主導のキャリア」から「個人起点のキャリア」へ

ミドル・シニアのキャリア創造の鍵は『解放→気づき→行動』の3ステップ

ファンリーシュIXプログラムより

【解放】会社と同一化した自分の思考や行動パターンから解放される

人間、誰しも、「何か新しいことを学ぶ」となると、まずは本を読んだりして、関連する知識を得ようとするのが常である。しかし、一番大切なのは、最初に「解放」して、新しい知識や体験を入れられるスペースを作ること。
このスペースを作るために必要なことは、東京大学 柳川先生の著書『アンラーン』が参考になる。
ミドル・シニアのキャリア創造の鍵『アンラーン』とは何か?~東京大学 柳川先生とのインタビュー対談から考える|岡田美紀子|note

しかし、「解放」と簡単に言っても難しい。なぜなら、私達がお話するミドル・シニアの人達は、一つの会社や組織で長く働いている方が多く、自分の思考や行動パターンと自社が一体化してしまっているのに、そのことに自分で気づいていない。しかもその一体化は、自己成長の軌跡であり、まるで年輪のように積み重なっていて本人にも無意識レベルになっている。
「解放」するためのスペースをつくるには、玉ねぎの皮をむくように、一つずつ自分と会社の一体化を発見して、自己を解放していく。私たちはこれを「鎧を脱ぐ」という表現をしている。
この「解放」に有効なのは『絶対的な心理的安全性のある場』と、『越境学習体験』。つまり自分が無意識レベルで思考や行動パターンが一体化している居心地の良い自社(ホーム)から離れて(越境)、自分とは異なる価値観、思考、行動パターンの人達と学ぶことで、客観的に自分と会社の一体化を発見することができる。ファンリーシュIXプログラム参加者からも「複数の異業種・異職種のグループワークで、客観的に自分を見つめる機会を得て自分の枠を外すという体験ができた」という感想がたくさん出ていた。
(『越境学習体験』については、本「越境学習入門」が分かりやすくて推奨したい)

【気づき】自分自身の内面にある志や想いに気づく

自分自身を「解放」して客観的に自分を見つめられるようになってから、『自分とは何者か、自分は人生で何を成し遂げたいのか、自分が好きで得意なことは何か』を探しに行く。自分が「解放」される前だと、自分だと思っている自分が実は自分ではなく、「自社と一体化した自分」としての想いなので、出てくる答えが会社の期待や目標となってしまったりする。
ミドル・シニアの人達と話をすると、「自分の社内スキル・社内人脈が武器となって昇進昇格ができてきた」成功体験を持っているがゆえに、社外に目を向けると急に「自分のスキル経験は社内でしか通用しないのではないか」と不安になる人がいる。しかし「解放」されて、自分を客観的に見つめることができるようになると視点が変わり、「社会人として今まで積み上げてきた自分の知識経験が社会で通用する強みになる可能性があり(もちろん、そのままでは社内スキルのみなので汎用化して社会のニーズに合わせることが必要)、自分が大切にする価値観から志や想いが何であるのか」に気づき、自分の生きる目標や自信につながる。
また、この「気づき」の過程では、社会人経験だけではなく、夫婦や家族との関係性(家族がいる方は)の中で醸成された価値観が自分の志や想いの源泉となっていることを再認識する人も多い。
ミドル・シニアの人達にとって「気づき」とは、単に「客観的な自己認知、再認識」だけではなく、新たな自己発見と再統合になる。
ファンリーシュIXプログラムでは、この「気づき」の過程を深めるために、一人ずつパーソナルコーチがついている。会社の中でCxOや事業責任者にパーソナルコーチをつけることはあるが、多くのミドル・シニアの人にパーソナルコーチがつくことは殆どない。未来のキャリア創造には、自分の気づきを加速したり具現化することが重要であり、パーソナルコーチはとても有効である。

【行動】気づきをもとにキャリアとして実現の一歩を踏み出す

ファンリーシュIXプログラムに参加されるミドル・シニアの人達は、やることが決まったら実行力(行動量xスピード)が高い人が多い。それはおそらく、今まで「会社の期待に応え続ける」という行動をしてきた人達だから、何か目標が決まったら実行したくなる、もしくは、自然と実行する力を発揮できるからではないだろうか。
だからこそ、大切なのは、①自分で決めること、②最初の一歩は完璧でなくても踏み出してみること、③早急な結果の成否を求めるのではなく、一歩踏み出した自分を褒めること。
良い悪いの判断も自分次第、どうありたいかも、目標も、試行錯誤の中で方向転換するのも、すべて「自分で決める」。自分で決めた数だけ自信になり、決めた数だけ未来のキャリア創造の選択肢が増える。最初の一歩を踏み出す時には、応援してくれる仲間を1人でもいいから作る。仲間がいると勇気が出て実行できる。

心理学「自己決定理論」(1970年代に心理学者のデシとライアンにより開発)の中にある、基本的心理欲求理論(Basic Psychological Needs Theory, BPNT)によると、 人の心理的なウェルビーイングは「自律性」「有能感」「関係性」の3つの基本的 な欲求が満たされることで高まるとされている。
『解放→気づき→行動』の3ステップは、まさにこの3つの基本的な欲求が高まるステップでもあると言えるのではないだろうか。


柳川先生監修、ミドル・シニアの未来のキャリア創造支援プログラム ファンリーシュIX (Individual Transformation)プログラムについては、こちらから

柳川先生が座長、経済産業省がとりまとめた「未来人材ビジョン」で提言されている未来で求められるスキルも、ミドル・シニアの人達もIX (Individual Transformation)の過程の中で、意識すれば十分身に着けられるスキルだと信じている。

経済産業省「未来人材ビジョン」(令和4年5月)


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