ウェディングプランナーからフォトグラファーへ
初めまして。鳥取県倉吉市にあるGiveseedというフォトスタジオでフォトグラファー兼ウェディングプランナーをやっています。
フォトグラファーとウェディングプランナー??と思った方。
はい。そうなんです。
私は、もともとウェディングプランナーとして会場に勤務していました。
初めて会場に訪れる新郎新婦さんの会場案内をはじめ、結婚式当日までのプランニングと本当に楽しくて充実した日々を過ごしていました。
鳥取市内の結婚式専門式場ゲストハウスを経て、倉吉市にあるホテルへと移り
その後、現在のGiveseedでフリーランスのウェディングプランナーとなりました。毎年開催される、全国のウェディングプランナーが自身のプロデュースをした結婚式を発表する「グッドウェディングアワード」では、2015年と2017年に全国でべスト50にも選出して頂きました。
そんなプランナー人生の傍ら、写真は趣味だった私。
好きなものを好きなように撮り、撮った写真をたまにSNSにあげたりして個人的に楽しんでいる程度でした。そんな時、転機が訪れたのです。
それは3年前のこと。
ある女性が私を訪ねて来られました。
「あなたにお願いがあるの。私の写真を撮ってほしいの」と。
詳しくお話しを聞くと、いつも私のSNSを見て下さっていたそうで、プランナーとして新郎新婦に関わる姿や私の発信する言葉がとても響いていたとのこと。
その女性の周りにはフォトグラファーさんの知り合いも多く、誰にお願いしようかと考えていたが、趣味でも写真を撮っているあなたにお願いしたいと思った。
と話してくれたのです。その撮影依頼は・・
女性は乳がんのため切除しなければならない状況だったのです。
その手術の前に自分の姿を残しておきたい。失ってしまう前に・・
と涙をながしながら話してくださいました。今思い出しても涙が溢れてきます。
ですが、そんな大切な写真を趣味程度の私には責任重大すぎて、手が震え涙もとまらず、私には出来ません。プロじゃないしそんな大切な写真はちゃんと経験ある方に撮ってもらうべきだとお断りしたのです。
ですが、その女性は『あなただからお願いしたいのよ』『あなたがいいの』と
何度も何度もおっしゃり、その言葉の奥にある大きな覚悟と、同じ女性として共感
する部分も多く「一度考えさせてください」とお答えしました。
女性が帰られてから、Giveseedの代表でもある大塚さんに相談すると、
「そこまでお願いされて断る理由があるのか?やるしかないだろう。彼女はミッキーだから撮って欲しいんだから」と言われ「大丈夫。今日から特訓だ!」と一喝。
私も覚悟を決め、撮影をお受けすることにしたのです。
大塚さんのカメラを借り、毎晩特訓。みんなが力を貸してくれました。
そして無事に撮影を行うことができました。
撮影中、お互いに不思議な空気と時間が流れ、言葉を交わさずにただシャッター音だけが響いている時間がありました。彼女は涙を流しながら肩を竦ませ、私も自然と涙が溢れ、あの時間は人の絶望と深い悲しみ、けれど温かくて優しくて大きな女性の愛がありました。
そしてこの撮影をきっかけに彼女が繋いでくださった方のプロフィールやお子さんの撮影依頼が来るようになり、写真の魅力と必要性を感じた私はフォトグラファーへの転身を決めたのです。
毎日来ていたスーツとヒールを脱ぎ、髪もばっさり。デニムにスニーカ姿が定着してきたこの頃です。現在、ウェディングプランナーとして結婚式のプロデュースは行ってませんが、ウェディングフォトの空間装飾、衣装アドバイス、結婚式全般の相談は変わらずお受けしながら、フォトグラファーに軸をおき日々精進してます。
どちらの仕事もお客様に向き合う姿勢は変わらない。
写真は記録でもあり、想像でもあり、伝えるものでもあり、導くものであると思います。感じたものをその一枚が語ってくれるような写真を撮って行きたいと思います。
Giveseedという店名は、Give=与える seed=種 で幸せの種まきという意味がこめられています。ぜひHPやInstagramなどもご覧くださいね。
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