神頼み?デスマーチ必至か?「神アプリ」オリパラ観客向けアプリ

SIer勤めて、自社のデスマーチだけでなく、他社のデスマーチヘルプ相談(※)も数々見てきての経験からパッと見でアウトなんで、見解を書きます。

あくまでも個人的な見解です。所属する会社は無関係です。

※他社の燃えたり燃えそうなプロジェクトは、選別して足元みて金吹っ掛け&何かあっても責任はそっちねとか交渉しないと受けられんけどね。

オリンピックパラリンピックの観客の健康状態を把握するアプリ「オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ(仮称)」が話題となっている。

例えば日経クロステックの下記記事。

「神アプリ」かCOCOAの二の舞いか、73億円投じるオリパラ観客向けアプリの開発実態 岡林 凛太郎 日経クロステック/日経コンピュータ 2021.02.22

単純に体制がわからん

記事によると、
・73億
・2021年1月から6月
だそう。
この2つの情報だけで、無理筋だと断定できる。73億って大規模複雑なシステムだ。半年で成功するプロジェクトじゃない。

開発運用保守一式とあるので、開発後のランニングコスト(クラウド費用もろもろ)やサポート要員やその拠点費用などアプリ以外も含まれてるので、乱暴に少なめに1/3がアプリ開発費用としてみても、25億。これって、単純計算で半年間平均で400人がずっと関わる。スーパーな人(つまり高額)がやるから平均で200人体制としても…かなり難易度高い体制…
NTTコムすごいわ…やれんのかこれ??

もっと少なくみて、12億でも100から200人体制。

半年で全部が動く気がしない。

※アプリ開発は3-6億で、あとはネットワークとか器機やクラウド費用だったりなら分かるけど、後述したようにこのシステムはかなり複雑なのでそんなことはないんじゃないかな。

難易度最高のシステム概要

記事の調達範囲を示す図。

ヤバイ

『データ連携基盤』

ヤバイ

一番難しい奴だと思う。

各省庁のシステムと連携するのヤバイ。

それから、利用者が査証申請から日本にきて観戦して帰国という時系列の流れを追っていくシステム。

…たいへんだと思う。

まとめ

まともな品質で出てくる気がしません。
もっとシンプルな要望で依頼したほうが現実的です。

こんなの『発注』するの、ダメ、ゼッタイ。

おまけ

NTTコミュニケーションズと数社で構成するコンソーシアムで、一般競争入札を経て受注した。

と記事にある。

こんな発注依頼を一社で受け切れるIT企業は存在しないと思う。
全てを受けると応札した企業はいなかったのだと想像する。一部ここだったらやります、とか、調達仕様から少し外れますごがこの条件なら、とか。

で、ネットワーク回りの開発運用保守はNTTコムが応札したのかな?で、他の各社組み合わせで取りまとめてやってよってことかなと想像します。

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