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Johannes-blog #10 RWC優勝!南アとラグビーの深い関係

「ヨハネスブログ|Miki's Johannes-blog」です。
南アフリカ・ヨハネスブルクでの暮らしを記録します。
きょうは、大盛り上がりのラグビーについてです。


南アフリカ ラグビーW杯優勝!

うわあーーーーー!!

優勝しました!!!

ちょっと前に来たばかりの私でもジーンとくるものがあるので、南アフリカ国民の感動は言葉にできないくらいなんじゃないかと思いを馳せます。

見逃したよって方は、このRWC公式から「3分25秒でわかる!RWC決勝戦」のハイライト動画を見られます!(ありがたい)

とにかく、南アフリカはお祭り騒ぎです。

実は私たち夫婦はちょうどどちらも南アフリカにいなかった(もったいない……)のですが、SNS上だけでも現地の大興奮が伝わってきました。
みんなすごい勢いでパブリックビューイングに行っていいて、優勝の瞬間がIGストーリーズにいっぱい流れてきます。羨ましい!
日本に住んでる南アフリカ人からも「見た!?見た!?」と連絡をもらいました!

「スプリングボクス」ただならぬ一体感

これは私たちがラグビーのW杯イヤーに渡航してきたからかもしれませんが、こちらでは、野球よりもサッカーよりも、ラグビーです!
ウルトラ国民的スポーツです。

決勝で戦ったニュージーランド側は「ALL BLACKS(オールブラックス)」と呼ばれ、試合の前にみせる「ハカ」とともに日本でも有名になっていますが、南アフリカのチームにも愛称があります。「SPRNGBOKS(スプリングボクス)」です!

「スプリングボク(SPRINGBOK)」は、アフリカ大陸の南のほうで見られる跳躍力自慢の動物です。ウシ科らしいんですけど、見た目はシカっぽいイメージです。私はまだ本物には出会えていません。
ちなみに、「SPRING」はアフリカーンス語で「JUMP」の意味だそう。この動物、ユニフォームにも描かれていて、チームカラーは緑と金です。

私も南アに来てから、スプリングボクスのユニフォームを夫からプレゼントしてもらいました!

SPRINGBOKSユニフォーム(夫セレクト)

緑のユニフォーム、本当に街でよく見ます。スーパーに買い物に出かけると、緑のユニフォームを着たお客さんがたくさんいます。
日常使い、ワンマイルウェアとしても市民権を得ている……?

もうなんかみんな他業種も一緒になってスプリングボクスを応援していて、例えばバレエ団の「ジョバーグバレエ」も緑を着て応援しています。

しかも、優勝したらフロアでバレエダンサーたちがスクラム組んだりラグビーボール投げたりし始めました!いいね、嬉しいね!!

この一体感、どこから来るんだろう?と思っていたのですが、歴史的な深い背景がありそうなんです。

映画『Invictus』が描く 分断と統合

さて、このラグビー文化を紐解くヒントになる映画があります。
巨匠クリント・イーストウッド監督の、『インビクタス/負けざる者たち』です。

舞台は、まだ人種の分断が色濃く残る90年代の南アフリカ。
黒人で初めての大統領ネルソン・マンデラと、当時「白人のスポーツ」だったラグビー「スプリングボクス」のキャプテンが心を通わせ、1995年ラグビーW杯南ア大会で初めて優勝するまでを描く、実話をベースにした物語です。

ネルソン・マンデラ大統領役はモーガン・フリーマン、スプリングボクスのキャプテン役はマッド・デイモンが演じます。豪華!

この映画では、英国発祥のラグビーが当時の南アフリカで「白人のスポーツ」と認識され、黒人からは応援されない、むしろ「白人主義の象徴」として嫌われていた存在だった歴史も描きます。

まだ人種差別や経済格差や残る南アフリカで、マンデラ大統領は、このラグビーチーム・スプリングボクスを国民から親しまれる存在へ育てあげることを決意します。スポーツの力で、人種をこえた国民の融和と共存を目指した、ということなんです。

1995年、初めて出場した自国開催の「ラグビーW杯南アフリカ大会」で、スプリングボクスが掲げたスローガンは、"ONE TEAM ONE COUNTRY"
初めて白人と黒人が混成のチームで戦います。

結果は、南アフリカが初優勝!

スプリングボクスは"ONE TEAM"、人種や民族をこえた国民の統合と、アパルトヘイト後の「新しい南アフリカ」の象徴になりました。

"ONE TEAM" 再び団結へ

さて、今回のフランス大会に戻ります。

このW杯を勝利に導いたのは、シヤ・コリシ選手。
チームで初めての、黒人のキャプテンです。

背景を学んだあとに、彼のヒーローインタビューを聞くと、深い深い含蓄があります。

“People who are not from South Africa don’t understand what this means for our country."
(この優勝が南アフリカにもたらす意味は、この国出身の人でなければわからないでしょう。)

Siya Kolisi(BBC)

そう、この優勝は、南アフリカにとって特別です。
背景にはひとことでは伝えられない、積み重なる歴史があります。そして、絶対に負けられないプライドがあります。

また、コリシ選手は、いまも南アフリカに横たわる分断、貧困、治安の悪化などにも触れながら、こんな言葉も残しました。

“We show with people from different backgrounds that it is possible to work together. Not just on the rugby field but in life in general.”
(自分たちは、異なるバックグラウンドがあっても協力できると証明しています。ラグビーだけじゃなくて、全てにおいてそうなんです。)

Siya Kolisi(CNN)

"ONE TEAM"をこえて、" ONE COUNTRY"、国民の団結へ。

ラグビーを通して、国を一つに!
強さの秘密は、1995年から変わっていなさそうです。

Miki's Johannes-blog #10
2023.11.2

追記:コリシ選手のインタビューはこちらから読めます。

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Miki Kamiya
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