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駐在帯同からの海外大学院進学 LSE修士留学までの道のり ④修行! IELTS 7.0⇨Writing"白旗"

南アフリカ駐在帯同を経て、イギリスの大学院に進学しました。
9月末から、LSEに通っています。

きょうは、日本から進学する人の多くが避けては通れないIELTSです。
私は本当にIELTSで苦労しました……。
これは、短い準備期間で「間に合わなかったこと」のリアルです。


Writing、間に合わず。

「3ヶ月でIELTS 7.5!」とか、「ライティングが突然6.0→7.0に!」とか、キラキラの結果を出す方もたくさんいます。でも、明らかに私は「じゃないほう」にあたると思います。

こちらは、最終的に私が学校に提出した入学前のIELTSのスコアです。

もうIELTSのこの画面一生見たくない

そして、こちらが私のコースに求められる英語要件です。
これをクリアしないと入学できません。

所属するコースのIELTS要件

私のスコア OA 7.0 (L: 7.5, R: 7.5, W: 6.0, S: 7.0)
必要スコア OA 7.0 (L: 6.5, R: 7.0, W: 6.5, S: 6.5)

そう、足りない。
ライティングが基準を満たしませんでした。

そうです、私はこの「足りてない」IELTSをLSEに提出し、いわゆる救済措置の「プリセッショナル経由」で大学院に滑り込みました。文字通り、限界大学院生です。

これまでの英語歴

子どもの頃に海外に暮らした経験はありません。学生時代の留学経験もありません。私は西三河生まれ西三河育ちの味噌くさい愛知県民です。

強いていうなら、親が英語を使わざるを得ない仕事をしていたので、ありがたいことに家庭の英語教育は熱心だったと思います。幼少期に家族で海外に出掛けて、託児所みたいなところで海外のお友達と話すのに英語を使ってみた経験なら何度かあります。あと、そういえばちびっこの頃に初めて英語を教えてくれた先生はイギリス人でした。

ただ、勉強って知っての通り、本人にやる気がないとどうしようもないですよね。私は学校生活で英語を得意とも好きとも思えず、TOEFLもIELTSも一度も受けずに大学を卒業しました。

人並みに頑張って英語を勉強した時期もあります。
一回目は大学受験のとき。ただし、東京の私大を目指したため、入試のスタイルに合わせて「とにかく大量の長文を捌く」練習だけしていました。つまり、文法和訳ライティングは最低限しかしてきていません。
二回目は、4年前、アメリカ大統領選取材への派遣が決まったときです(結局パンデミックで渡航できず)。渡米してインタビューできないんじゃ使いものにならないからと、この時ばかりはおしりに火がついてほぼ毎日コメダで朝活英語をしていました。Gabaにも課金しました。
あと、客観的な資格としては、英検準一級を持っていました。

あ!重大なことを忘れていました。
去年の夏から南アフリカに住んでいたので、いまとなっては英語圏での生活が2年目に突入しました!ただ、お伝えしたように渡航して割とすぐに大学院進学を検討し始めたので、ほぼポテンシャル丸腰でIELTSの勉強に突入したことになります。

半年間で5回連続 OA 6.5 心が折れる

そんなこんなで、一番最初にIELTSってどんな感じ!?とテスト形式も知らずに受けたときの成績はなんとOA 5.5でした!去年10月の出来事です。いま思うとなんてお金がもったいないんだ……。

そこからIELTS対策用の単語帳や過去問を買って(日本語の解説が欲しかったのでAmazonジャパンで頼んで海外発送)一通り勉強して、一ヶ月後の11月にOA 6.5になります。

問題はここからでした。このあと、半年の間に4回受けて、全部OA 6.5。つまり、5回連続でOA 6.5をとったことになります。全然伸びなかったんです。ほんと心折れた……。

最終的にOA 7.0まで持ってきたのですが、それでもやっぱりライティングが足りませんでした……。

English  Presessional という選択

私は、IELTSを頑張るのは4月15日まで!と時間を決めていました。
4月15日がなんの日かというと、プリセッショナルコースの申し込みが始まる日です。入学の半年くらい前になります。

プリセッショナルコースとは、「あと0.5足りない!」という私みたいな留学生のために、これを受講して最終試験をクリアしたら英語要件を満たしたこととするよ!という救済措置です。

人によっては、7月上旬あたりまでIELTSを粘って、頑張って規定の要件を達成する人もいます。でも、私の場合はもう「お手上げ」と思ったのが正直なところです。しかも、足りないのがライティングだったので、自分で勉強することに限界も感じていました。フィードバックが……ほしい……。

ちなみに、海外でIELTSを受けると、為替の関係もあって4万円以上かかります……。もうクリアできるかどうかわからないIELTSをまた受けるより、申し込み開始と同時にプリセッショナルに参加することに決めました。

4月中旬以降は、IELTS対策からは撤退して「入学するまでに読んどけよ!」と大学院からもらったリーティングリストの本を読むことにシフトしたのですが、これが慣れるまでかなり大変でした……。特に私の場合は学部の勉強とは全く別の専攻で予備知識ゼロだったこともあり、日本語の文献を追加で読んだりもしました。

IELTS対策とリーティングリストの攻略を両方やるキャパはなかったと思うので、自分を過信せず、さっさとプリセッショナルに申し込んで良かったと思うことにします。

【おまけ】OA 6.5→7.0までにやった試行錯誤一覧

ほぼ半年にわたってOA 6.5で停滞していて、いろんなことを試しました。IELTS修行僧です。
正直どれが効いたのかは私もよくわからないんですが、やみくもにやったことを書き連ねてみます。根が体育会系なので、基本的には力技です!

Listening

BBC Learning English - 6 Minute English

最初にはじめたのがこれです。BBCが英語学習者向けに作っている6分のプログラムで、私はpodcastで聞いていました。

会話編、文法編、ニュース英語編など色々あるのですが、まずはジャンル問わず闇雲に聞きました。

1コマ6分ポッキリ!というのが、飽き性で注意力散漫な私でもギリギリ集中力を保てる絶妙な時間設定ですごく良かったです。

聞きながらシャドーイングするのを基本として、皿洗いとかしながらブツブツやっていました。時間があるとき(特に勉強しはじめた去年の今頃)は、ディクテーションもしました。

初期のディクテーションはすごく効いたと思っています。書けないなら聞けてないわけで、それが一瞬で可視化できるので。そして、自分が何を聞き落としたか、どういう単語を落としやすいのかの傾向を知ると、リスニングの時に弱点を意識しながら聞けるようになります。

私は、初めてディクテーションしてみた日に hour, our, or, where, there, here など極めて典型的なイギリス英語が見事に聞けていなかったのが浮き彫りになって「おおお!」と思いました。笑

The Crown / Netflix

エリザベス女王の生涯を追う"大河ドラマ"的なNetflixのコンテンツです。
嘘でしょ?って感じなんですが、これを真剣にシーズン6まで英語字幕つきで見たら、だいぶ聞けるようになりました!

やや不必要に単語が難しい場面があったり、会話よりも映像でみせるシーンが長かったりもするので、作業効率的にはクエスチョンかもしれません。

でも、女王と王室、政治の話なので、カジュアルすぎずオフィシャルな英語を浴びられます。イギリスの歴史を知るという意味でも勉強になりました。


Explained (邦題: 世界の"今"をダイジェスト) / Netflix

「株式市場」、「K-pop」、から「タトゥー」、「大麻」まで……!

これはアメリカ英語なんですが、一つのテーマについて1本15-20分でざっと説明してくれる番組です。

株式の話ならマーケット用語、麻薬の話なら医療用語、とテーマによって使われる語彙がガラッと変わるので飽きなくてとても良いです。
あと、「説明」の番組なので、ナレーションとインタビューが中心の構成です。つまり、podcast並みに英語が話され続けるので、1本あたりの英語の密度が濃いのがおすすめポイント。

私はランニングマシンで走りながらこれを聞いて、さらにできるときはシャドーイングもしてました。いま思えば、ジムエリアで不思議な人です。

Reading

リーディングはリスニングやスピーキングと違って「ながら勉強」との相性が悪いこともあり、あまり対策できていません……。

とりあえず手始めに、これを全部覚えました(いや全部は覚えきれてないかもしれないけど)。私は単語が英語の勉強の中で最も好きで、なぜかというと「今日は100個単語やった!!」と成果が目に見えやすいからです(単純)。

ただ、単語丸覚えは副作用もあると感じています。
私の場合は、単語の意味はわかっても、文中で使えない。というのも、実際に使ってみようとすると、単語しか覚えてないから可算・不可算がわからない、そしてペアになる前置詞がわからない。だから、ライティングで冠詞・前置詞のミスが多発するという具合です。

最近は、単語を覚えるときは文章で覚えるように気をつけています……。

それから、IELTS公式問題集をノルマとしてやっていました。まとまって3問1時間やる集中力はなかったので、「続けること」を優先して、大問1つを18分くらいで解く練習をしました。

4月にIELTS対策から撤退してからは、学校から「入学するまでに読んでこい!」と指定された文献のリストを順番に読んでいきました。
(IELTS対策からは手を引きましたが、勉強自体は続けました)

これに関しては、興味のある分野のリーディングだったので楽しく読むことができました。

途中、ジュディス・バトラーが難しすぎて日本語訳版をアマゾンジャパンで買って南アまで送ったのですが、これについては日本語でも超難解だったので英語力より地頭の問題だったみたいです。(それはそれで悲しい!)

Writing

最後まで伸びなかったので、ほぼ反省点を書くことになります。
ライティングができない記者なんて本当に仕事がなくなりそうなんですが、恥をしのんで書きます。

どんな人に書いたものを見せても、文法スペルミスをなんとかしろと言われ続けました。

ネイティブに見てもらったときは、二人連続で「構造はいいんだけど……」とモゴモゴ言われました。その続きは、「冠詞と前置詞が変」
例えばどのあたりが変?と聞くと「う〜ん、全部!」と言われました。全部変だそうです!涙

夫に添削してもらったときは、書き出しから5語くらいでスペルミスが発見されたり……。あとは、「関係代名詞が全然使えてない」とのご指摘もいただきました……。

やったことは、これです!文法!!

English Grammar in Use / Raymond Murphy

とりあえず一周半くらいしたのですが、それでもライティングは全く伸びませんでした。ただし!これをやったらリーディングが伸びました!笑

あとは、巷で話題の「チャットGPT添削法」も試しました。
でも、例えば「IELTS7.0取れる英文書いて!」と頼むと、なんだか結構単語も構文も複雑なやつを書いてきたりして自分で再現できず……。私には向きませんでした。

Speaking

中継リポートみたいに「とりあえず黙らずなにかを話し続ける」ことが大事そうです。また、自分が文法苦手なことを鑑みると、流れよく話していれば、ライティングよりも格段に文法誤りに寛容だと感じます。とりあえず止まらずにしゃべり続ける。話し続けるのです!!

やったことは、オンライン英会話のNative Campです。多いときは、朝昼晩とやりました。

Native Camp: IELTSの指導経験がある講師に絞って受講。ひたすら練習に付き合ってもらい、誤りの指摘とフィードバックを頼む。

私はNative Campで「ほぼ現在形と単純過去形だけで話す」クセを指摘されました。そして、IELTSはいかにいろんな英語を使えるかをshow offするテストなんだと教えてもらいました。

つまり、現在完了・過去完了、仮定形などあらゆる時制を使って話す。また、関係代名詞助動詞を積極的に使うようにする。成句も有効です。このあたりを心がけたら、6.5から脱出しました。

あと、南ア人のお友達とカフェに行ったり、ラグビー観戦したりして、たくさん話しました。結局のところ、恋バナや人生相談が一番英語を上達させるかもしれません。

アカデミック英語を求められるので、IELTSでカジュアルすぎる表現はNG、ともよく聞きます。でも、これを気にしだしたら私の場合は話の途中で止まるようになってしまった(!)ので、練習のときは多少心がけても、本番では気にせず、採点項目にある「流暢性」を優先しました。

IELTS answers

自分でぶつぶつ練習するときは、このサイトの過去問を見て練習していました。結構同じ問題が実際の試験に出た。シャワーしながらPart 1の練習をしたり、寝る前にPart 2の練習をしたりしていました。

高得点に求められるのは「攻め」の英語

私が勉強してきたのは主に受験英語だったので、「中学生で習う英語でいいから文法ミスをするな」とか、「スペルを間違えるくらいなら超簡単な単語だけを使え」とか、減点されないための「守り」の英語ばかりでした。

でも、IELTSではいかに英語が使えるかをshow offしなければいけなくて、加点法の側面があります。つまり、アカデミックな単語を覚えて使ってみたり、わざわざ複雑な文章を作ったりする必要があります。「攻め」の英語に自分が慣れていなかったから、文法やスペルの間違いが多発したんだと思います……。

もうIELTSは受けたくないけど笑、大学院のリーディングではIELTSで習う学術英語が頻出です。進学した後のことまで見据えて、焦らず騒がず、長い目で勉強したらもう少し楽しく対策できたかもしれません。

駐在帯同からの海外大学院進学 LSE修士留学までの道のり #4
2024.11.22

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Miki Kamiya
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