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楽器演奏者のワイヤレスマイクシステムについて

音楽仲間なヴァイオリン奏者の方から、ご相談を受けたので、
自分の考えと、いま使っているものを、まとめてみました。

ワイヤレスを選ぶ場合に大切なのは

1.どの規模の会場で使うか
2.アナログとデジタルの違い
3.
多数の出演者がいる場合に、自分以外にどれだけワイヤレスを使う奏者がいるか
4.
もちろん予算

一つずつ説明しますと、

1.どの規模の会場で使うか

意外とワイヤレスが活躍するのは小さな会場です。ステージが狭くても足元が楽ですね。すでになんらかのワイヤレスマイクシステムを使用されたことがある方は、ご存知かと思いますが、電波の伝送距離が製品のスペック・価格に影響されます。

2.アナログとデジタルの違い

メリットとデメリットは、こちらが詳しいです。

開けた野外ステージでは、デジタルが強く、アナログは遮蔽物に強いです。

デジタルの2.4GHzは、スマホと同じ周波数を利用するので、狭い空間で大人数のWi-Fi機器に干渉を受ける恐れがあります。一方のアナログ電波(通称一般人が扱えるのはB帯)はWi-Fi機器とは無縁です。注意するのは、次の3です。

3.多数の出演者がいる場合

大規模フェスや、そうでなくても個人利用がしやすくなったワイヤレス機器です。Voもワイヤレス、ギターも、ベースもワイヤレス。さらにドラムは、イヤモニをワイヤレスで使用する、なんて場所に入るには同時使用するチャンネル数が限られます。基本的にワイヤレス送受信機側に、オートスキャンという”今空いているチャンネルを自動的に探す機能”はありますが、廉価モデルと高級モデルの差は、このあたりにあります。

よく共演する人でワイヤレスの人がいるとして、その方たちが、どのメーカーの、どのモデルを使っているかも重要です。例えばShureでも、ゼンハイザーでも、同じメーカーのものだとチャンネルの選別がしやすかったりします。

4.もちろん予算

オーバースペックで高ければいい!ってもんでもない。というわけで、自分自身の使うシーンを想定するのが大事ですね。

<音質は?>

正直良くわからない(笑)

一番良いのはワイヤード(有線)だとして、そこからどの程度、変化するか?ということですよね。Shureもゼンハイザーも各社が競っているので、大きな差はないと思います。サウンドハウスという音響・販売メーカーのワイヤレス担当の方と電話でやり取りしたことがありますが、Shureの音声圧縮技術は価格以上のものがある!と言われて、それを信じて購入しました。

僕も2016年にオーディオ・テクニカから乗り換えて使っているこちら。

テクニカが悪かったわけではなくて、後述のDPAマイクをワイヤレス化した時に、ノイズが乗ってしまいました。この辺りは、完全に機器の相性です。自分自身が使ったことがあるものからしか、オススメができないので、他社のワイヤレス・システムでDPAが絶対に動くかどうかは、試してみないとわからないところがあります。その意味でも、Shureの組み合わせを、おすすめしたいです。こちらは6ch対応可能。チャンネルが足りなくて困ったことは、ありません。

サウンドハウスよりも、Amazonのが安かったので、上のリンクをつけています。

こちらが、ゼンハイザーの¥78,000-ぐらいのモデル。こちらは8ch対応可能。本体が頑丈ですね。ディスプレイが大きくて、様々な情報が表示されるのは便利かもしれません。どちらかというか、PA卓上に置いて、PAさんが見るためには良い。

<購入に必要なもの>

約6万円。他にも、サックス用のアタッチメントのセットや、ギターなどもあります。

Shureのボディパック送信機に変換するコネクタです。約1万円。

ついでに、予備のケーブルを1本。このタイミングで合わせて買っておくほうがよいです。他社のピックアップマイクとの違いは、断線した時にケーブルを交換して使い続けられることです。保険と思って、マイクケースに一本忍ばせておくと、いざという時になってから買うよりも安心です。

とりあえず、こんなところです。

DPAマイク ¥60,000 (サウンドハウス)
DPA変換 ¥10,000
(サウンドハウス)
予備ケーブル¥4,400
(サウンドハウス)
ワイヤレスSHURE ¥35,000 (Amazon)

安い買い物ではありません。

【マイクは現在の音楽活動において、楽器の一部と考えるべき】

そうなんです。上記のセットで、10万円を超えてしまいます。けれど、これは”楽器の一部”なのです。ヴァイオリンで言えば、本体と弓と弦。その延長線上にある大切な音楽表現の一部だと考えます。

サックスでも、フルートでも。300万円のゴールドのフルートもPAシステムを使用する現場で、1200円のピンマイクで良い音を奏でることができる人も、当然います。けれど、どうでしょう?せっかく道具で、もっと多くの人に、その楽器と演奏者の素晴らしい音を伝えることができるのであれば、その方が良いと思うのです。

有線のDPAマイクは、バツグンです。レコーディングにだって耐えることができるものだと思います。ワイヤレス化させると、多少は劣化するでしょうが、演奏者の自由が生まれます。なにより、DPAを通した音を聴いて、幻滅したミュージシャンを僕はまだ知りません。

アコースティックギタープレイヤーの方や、サックス奏者の方も、これを使って鳴らしたら、確実に良い音が手に入ります。というか、いつも一人で練習する時に聴いている”自分のナチュラルな音”です。ただ、それが拡声されるだけ。これがとても、難しいのです。

何かしら、色がついた音になったり、何かが削ぎ落とされた音が鳴ってしまうのが、今までのマイクでした。

アコースティックな現場で、アコースティックな楽器を使われる方、全てに、このマイクはおすすめしたい。そんな一品です。

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僕は、ベルにワイヤレスボディパック送信機ごと突っ込んでいます(笑)

これにより、身体と楽器を伝うコードが無くなり、完全なワイヤレス環境が手に入りました。最高です。

どうぞ、どなたかの参考になりますように。



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