メロフロート 「ただいまと言えるまで」

ただいまと言えるまで - メロフロート
作曲:まみよ・藤末樹 / 編曲:藤末樹

今回は明日2018年9月25日リリースされる「メロフロート」アルバムに収録されるコライト作品「ただいまと言えるまで」のコライトについてレビューします。

コライト、単独作品に関わらずコンペに提出する楽曲を、スケジューリングから、仮歌シンガー選定等マネジメント、制作では、コード、メロ、アレンジ、mix、など全ての要素をオーガナイズする必要がある。私の場合は素材を提供する側というより、断片的な良い素材をまとめる役割に立つ事が多いが、逆の立場でももちろん問題ない。

コライトを2人のクリエイターで行う場合、お互いが素材を出し合い、お互いがオーガナイズの役割を分担して行う手法ももちろん、あり、がだ1週間弱程度で楽曲を完成させる必要のあるコンペでは若干スピード感に欠けるというのもある。

また上述した通り、制作以外にも、スケジューリングやマネジメントが良い作品をコンペに提出する際とても重要なポイントであり、新人クリエイターに最も欠けているポイントでもある。コンペ作品は何百、時に何千もの楽曲が集まるので決まらない確率の方が高く、不採用後の利用開発をいかに効率よくするか、という点も楽曲を書き下ろす際に考慮すべきファクターである。

数多くのコンペ発注から最も楽曲の利用開発の可能性のあるジャンル、需要を現代の音楽シーンのトレンドから敏感に察知する必要が生じるのである。制良い曲なのに埋もれている楽曲をストックで提出しても採用されない一因でもある。逆に、うまくオーガナイズ出来なかった印象のある楽曲でも需要が多くトレンドもうまくとらえているものは簡単に採用される場合も暫しある。

今回の楽曲は一定の需要はあるもののトレンドというイメージはなかったが楽曲の募集があったタイミングは「まみよ」さんとバラード系楽曲を数多くコライトしているタイミングだったのと彼女とのコライト作品に男性曲がなかったので「ぜひトライしてみたい」と思い完成に至った。楽曲のオーガナイズは彼女がラフの中に散りばめている少しJazzというかJ-POPライクでないコードとテンションをJ-POP風に削ぎ落としてボイシングしていく事からはじまった。逆に他のクリエイターとのコライトの場合ノンダイアトニックを入れ込んだり、テンションを付け足しオーガナイズするコライトパターンも当然ある。

楽曲制作をビジネスと捉えると当然、楽曲のトレンドや需要を考慮する事にプライオリティーを置くが、人と人の繋がりのプロセスとう点で前述した様なストーリーが制作の動機にもなり得るし大切にしたい所である。

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