カナダで出会った人① 中国からの裕福な移民女性。
カナダには、裕福な中国の人がたくさん移住してくる
子供達の将来を考えて。
お金を持っていて、大きな家に住み、自然に囲まれ、子供たちは母国の過酷な受験競争から逃れ、のびのびとした英語環境の中で成長できる。
カナダは中国に比べ、競争率が低い。スキルさえあれば仕事をするにも、やる気さえあれば勉強するにも。
主に3つのパターンがある。
パターン1;お父さんとお母さんともエンジニア。こちらで仕事を見つける。
パターン2;お父さんだけ中国に残り働いて、そのお金で、子供とお母さんだけカナダで暮らす。休みごとに、カナダと中国を行き来する。
パターン3;お父さんはカナダで普通に働き、お母さんは専業主婦
英語力、仕事スキルがない私には、彼らの人生はキラキラして見える。
でも、冷静に考えてみると、
彼らは、中国14億人の過酷な競争を勝ち抜いてきたスーパーエリート。
娘の友達のお母さんについて
彼女は娘3人と一緒にカナダに住んでいる。いや、住んでいた。
長女は、今春アメリカの大学を卒業して医者に。
次女は、この秋からアメリカのデザイン系の大学に。
三女は、姉達と歳が離れていて、まだ小学生なので、彼女と2人でカナダに住む。
彼女は、カナダのカーディーラーで働く。その忙しい合間を縫って、MBAの資格を取るために勉強してきた。4年かかって、もうすぐ資格が取得できる。
彼女の夫(娘たちの父)は、中国でも屈指の有名企業で働く。中国に残って。
コロナ前は中国から休みの度に、娘たちに会いにきていた。
秋も押し迫った、11月のある朝。彼女を見かけた。
もう気温は0度に近い。
きれいな紅葉の中、ひとり真っ赤なコートを着て散歩をしていた。
私の方には全然気づかなかった。
胸の中に何を思っているのか。
旦那さんは、もう、娘達と4年会えていない。
彼のパスポートは中国の会社が持っているから。自分意思では出入国できない。
だから、長女のアメリカ大学の卒業式にも出席できなかった。
そんな、彼女の夫に、私は一度会ったことがある。
彼女の三女の誕生日会で。
子煩悩な彼は、一生懸命、三女の気分を盛り上げてあげようと、一生懸命三女に話しかけていた。
でも、三女は、片言の中国語しか理解しない。
一方で、お父さんは英語が苦手。
会話が成立しない
夏、彼女は、三女を連れて2人でキャンプに行く。
カナダは、家族や親戚が行動の単位であることが多い。(ソロキャンプも多いけど)
でも、これを聞いて。ただ、旦那がやりたくないからという理由で、キャンプを躊躇っていたのがバカらしくなった。
また、彼女に上の娘2人が家を出て行くときに、「寂しくなるんじゃない?」と聞いたら「そんなことないよー、今まで本当に忙しかったから」と笑いながら言っていた。
彼女は、48歳でMBA資格を勉強始めた。そして、もうすぐ取得予定。この勉強が終わったら、「三女と一緒に過ごせる時間が持てるようになる」と言っていた。
あんな強いお母さんに、私もなりたいと、思った。
国も違い、政治もコロナも色々あるけれど、彼女自身の行動で、自分の背中で、娘たちを鼓舞する女性。私を勇気づけてくれた女性。
パワフルな彼女を、尊敬の気持ちを持って見ていた。