【エッセイ】化学物質過敏症日記 最終回
化学物質過敏症の悲哀を綴って参りましたが、なにも悪いことばかりではない。
電車やバスは柔軟剤臭が充満して気持ち悪いとか、座席に座れば漏れなく柔軟剤臭がお尻に付くとか、職場も人が多いので毎日頭痛だとか、服に付いた香料臭を落とすのに矢鱈と洗濯をするので水道代がかかるとか、空気清浄機2台回しっぱなしの上に窓を開けられないので除湿機、エアコンを頻繁に使うから電気代かかるとか、コンサートや映画館も人が集まって香料臭が凄いのでまったく行けなくなったとか、柔軟剤臭を指摘して人間関係がギクシャクしてしまうとか、挙げればキリがないくらい悪いことはあるのだけれど、それはさておき。
石鹸ひとつで身体も顔も髪も洗えるとわかったので、そっち方面はお金がかからなくなった。
今まで、なんであんなにいろんなものを揃えていたのだと不思議になるくらいシンプル。
食べるものも添加物がダメなときがあるので、お菓子などあまり買わなくなった。
そして、そんなに食べたいと思わなくなった。
無駄がなくなった。
環境に悪いもの海に流してないぞの、ちょっと良いことしてる満足感。
「あずささんが食べられるものは、安心して食べられるから参考にしよう」みたいなことも言われたこともある。
ちょっと他人の役に立ってる感。
ささやかだけど、前を向く材料にはなっている。
とはいえ、生きづらいことは生きづらい。
こんなことになりたくない人は、使う洗剤とか見直してみてください。
また明日もこの身体を抱えて生きていきますが、なんとかやっていきますよ。
おしまい。