
BlenderからNVIDIA/Omniverseにモデルをインポートする方法
はじめに
NVIDIA Omniverseは、リアルタイムで3Dデータを統合し、シミュレーションできる強力なプラットフォームです。
本記事では、BlenderのモデルをOmniverseにインポートする手順を解説します。
Blenderで作成や編集したモデルをNvidiaのOmniverseで活用することができるようになります。
※この記事の対象は、BlenderユーザーとOmniverseユーザー両方を対象としています。それぞれのプラットフォームの基礎的な内容も含まれていますので必要に応じて読み飛ばしてください。
Omniverseとは

NVIDIA Omniverseは、リアルタイムで3Dデータを統合・編集・シミュレーションできるコラボレーションプラットフォームです。
・PixarのUSDファイル形式を基盤に採用し、異なる3Dアプリ間でのシームレスなデータ共有が可能
・クラウドまたはローカルで複数人が同時編集可能
・AIとシミュレーションとの連携が強味(IssacSim→ロボットSimulation、Replicator→AI)
こちらの記事に概要をまとめています。
https://note.com/miki_teacher/n/n09c0465ea5f4
Blenderとは

Blenderは、オープンソースの3D制作ソフトウェアで、モデリング、スカルプティング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、VFX、動画編集、ゲーム開発など幅広い機能を備えています。
物理演算エンジン(Bullet、Mantaflow)やリアルタイムレンダラー(Eevee、Cycles)を搭載し、高品質な3D表現が可能。
Pythonによるカスタマイズやプラグイン開発にも対応し、ワークフローの自動化ができる。無料でありながらプロレベルの機能を持ち、個人クリエイターから大手スタジオまで幅広く利用されています。
必要な準備
Blender 4.2 alpha USD branchのインストール
OmniverseとBlenderを連携するためのソフト、Blender 4.2 alpha USD branchをインストールする必要があります。手順は以下の通りです。
1.Omniverse Launcher を開き、更新 タブに移動します。
2."Blender 4.2 alpha USD branch" を検索し、インストールします。これがBlenderとOmniverseを連携するコネクターになります。

開くといつものBlender画面になる。

モデルの準備
Omniverseに入れ込みたい、モデルを用意します。
今回は以下のサイトから溶鉱炉のモデルを持ってきました。
Blender用のファイルをダウンロードします。

Blenderで開くと以下のようなモデルです。


移行作業
各種設定
画面の左側にOmniverseのタブがあります。Omniverのタブを開くと以下のような画面になり、各種設定ができます。

Materialなど必要に応じて変更してみてください。

モデルのExport
Omniverseのタブの上のほうにあるExport USDを押します。

以下のような画面になるので、フォルダ指定後にFile Nameを入力して、OKボタンを押します。
※著者はファイル名を入れ忘れるという凡ミスをしていたので、ファイル出力ができすにはまってしまいました。

この作業で、移行が行われます。
Omniverseで開いてみる
先ほどのファイルをOmniverseのUSD Comporserで開いてみます。
指定フォルダに、Blenderから移行したUSDファイルが保存されています。
開くと以下のような感じです。
(あれ、、暗い・・・・・)

モデルの調整
「暗い」の原因
このモデルの全体像が、ドームのようなモデル(天井)にかぶさっているような作りになっています。この天井のモデルがすべての光をさえぎっていました。

モデルを選択して、Propertyの
Invisible To Secondary Rays
のチェックをつけます。

これにより、天井モデルの外のライティング「太陽光」が透過されるようになり、全体が明るくなります。

溶鉱炉部分の光量
後で画像を比べますが、溶鉱炉の部分の光量がBlenderとOmniverseで異なっていました。具体的にはOmniverseのほうが光っていないように見えました。OmniverseがわでEmissiveのIntensityを調整しましたが、うまく光らず・・・・、今回は原因がわかりませんでした。
比較画像
おおむね以降はできていますが、光量の差が目立ちます。


まとめ
本記事では、BlenderのモデルをNVIDIA Omniverseにエクスポートする手順を解説しました。ツールを使えば移行は簡単にできます。
一方で、光の透過やEmissive(発光量)など、一部の設定やマテリアルは完全には移行できないようで、移行後に調整は必要になるかと思います。
とはいえ、このように簡単に移行できてしまうのはOmniverseの強みだと思います。