美しきバルール15 刺激的な日々
元ヤクザの加藤と不良少年(と数名の少女)に混じっての仕事は、凛にとって驚きの連続だった。
前回までの話↓
家にいたときは不良少年どころか一般的な同級生にだって心を開かなかったのに、造園の現場で耳にする会話は物騒極まりなく、現実感がわかないときすらある。
「加藤さん、夏でも絶対長袖だろ?なんでか知ってる?」上川がニヤニヤしながら凛に聞く。
「背中にでっかい龍がいるんだよ」「え?龍?」凛の反応に林がケタケタ笑った。
真夏、少年がタンクトップ姿で作業する中でも加藤は長袖だ。袖までぴっちりボタンをとめた長袖で過ごす理由は背中(から腕までの)龍の刺青を見せないためだ。
すぐ隣で働く加藤をみながら、保守的な凛の母親がみたらなんというだろうとおかしさすらこみ上げた。
少年たちはちょっとしたことで喧嘩になる。明白な力関係があり、喧嘩に負ければ下層のパシリにされてしまうからだ。わずかだが素行不良でここへ来た少女もいて、数日後には濃厚なドラマが生まれる。
凛はわからなかったが、少年たちは瞬時に同じ境遇や匂いを嗅ぎとるようだった。
新しく誰かが入所する度に、あっという間に上下関係や恋愛関係ができる。そのスピードから彼らの生命力やエネルギーを感じて、なんだか眩しいような気もした。
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