026. みずみずしさはどこ行った
年を重ねて、年齢層の高い人々に囲まれて仕事をしていると、その顔に刻まれたシワとかを間近で見る。
色々乗り越えてきた証、ツラさの勲章みたいに見えてくる。何もわからない年じゃないし、物事はいつでも慎重。
話をすればお互いに「ここまでは分かってるよね」の前提でなんでも話をする。それが大人。
日々のルーティーンのレールに乗っかって、疲れた大人の階段を上っている。
朝、起きてからのルーティーンをこなして外へ出ると、必ず同じ場所ですれ違うおじさん。何時に起きて、何時に出る、っていうルーティーンなんだろう。
そうやって出会ってすれ違うだけの人の中で、最寄駅で絶対その背中を見る中学生だか、高校生だかの少年。
纏う雰囲気がみずみずしい。夏の制服がそう見えさせるのか、でも気づいたのは色素の薄いその髪色。
染めてるのかな?そしてさらっとストレートの耳で切りそろえられた髪型。やわちゃと清潔感が織り混ざっていた。絶妙な雰囲気を纏っていたのだった。
うらやましい。
性格が「男!」とそこに自信さえ持っているあたしが、見た目だけは消え入りそうなくらい柔らかくしようと、色素を薄くしようとメイクも黒い強そうな眉をブラウン寄りにしてみたり、マスカラもブラウン、チークはオレンジ寄りのピンクで丸くふんわり、みたいに挑戦は続けている。
でも、メークだけでは足りない。武器一つだけじゃなく、やっぱり服装なのだ。
明日の服装どうしよう?
ピンクとか淡さで勝負だよな、と頭によぎりながら、山ちゃんと蒼井優ちゃんの結婚会見をアベマTVで見る。
白のブラウスにブラックのVネックロングスカート。
シックなのにかわいい。この子の内面から溢れる可愛らしさ、表情に、言動に、言葉に出て、響く声も甘い。
服装が、色が、その形が可愛くても、結局はその人自身の体への気遣い方ひとつなんだ、と気づかされる。
あたしが忘れたみずみずしさ、取り戻すには「その気」一つ。それをコントロールできるのはあたし自身。
こうして書いて、思い出す。
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