012. 自然、力強いフェンス越しの桜、あたしのこじつけ
散ってもいいから桜になりたい。そう思ってしまうくらい力強い桜に毎年出会う。
府中市の西武鉄道多摩川線。白糸台駅近く。
ぐあっとフェンスを越えて、
あたしも電車に乗せてって言ってるような、
その力強さで、ん?
フェンス壊れてら…
散らないで。
その美しさを保っていられるのが、後何日かと分かっているから、その桜の下にずっといたくなる。
桜が好きだ。
桜って名前の友人の子どもがいる。羨ましい。響きがいい。
あたしはまったく違う名。小学校の頃、名前を変えたいと母に言って、「りえ」だか「えり」と呼んで欲しいと頼んだら、普通に呼んでくれた。でも、なんか飽きちゃって、数分で元の呼び名に戻った。よく覚えてる。
「なんであたしの名前は美紀なの?」
そう聞いたら、音が良かったからって言われた。ただそれだけ。
桜の季節に生まれた自分だけど、べつに桜って名前でなくても、いっか。