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ヘイボーイ、ヘイガール、みんなしあわせに暮らせ

誕生日前夜。
33歳になる。

32歳は特別な一年と、決めていた。
母が、わたしを産み、志村ふくみが染色家を志した年。遅すぎるようで、まだなにもかもが遅すぎるわけではない年。

特別な一年だったはずだ。なんとか宿ははじまり、長かったコロナ禍もおわった。娘は2歳になり、また本が読めるようになった。

特別は、スペシャルでプリチーで最高だが、たまに疲れる。33歳は特別な歳ではない。すこしほっとする。大事な一年に変わりないが、スペシャルでプリチーで最高でなくても、よい。朝のひかりが綺麗とか、夜の梅酒はうまいとか、そんな風に暮らしてよい。32歳もそうだったはずなのだが。祈りは呪いで呪いは祈りだ。いいんだなんだって。スペシャルな32歳さよなら、平凡な33歳こんにちは。どちらにせよ、世界のボーイよ、ガールよ、元ボーイも元ガールも、愉快に暮らそう。

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