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三木美術館館長がおすすめする、姫路の楽しみ方

三木美術館館長の三木です。3月に入り姫路もだんだんと春めいてきました。マスク着用も緩和され、窮屈な暮らしがゆっくりとでも改善されるとよいなぁと思っています。
三木美術館は、姫路駅から姫路城へと続く大手前通りに面した私設美術館です。主に近代日本を代表する画家や作家の作品を収蔵していますので、お越しいただくお客様も比較的落ち着いた層の方が多いのが特徴です。しかし、ここ数年は静かになりがちでした。そんなこともあり、この春からの変化が三木美術館や姫路市にとっても元気を与えてくれればと期待をしています。

そこで外出や旅行が段々と増えるこの時季に姫路の魅力第1弾として行楽にお勧めしたい場所をお伝えさせていただきます。
ぜひ、三木美術館とともに姫路市を楽しんでださい。   三木美術館館長 

姫路では、都会では感じられない歴史を感じていただけると思います

姫路市は比較的温暖な気候で、幸いなことに大きな災害に見舞われることもこれまでありませんでした。またコンパクトですが、日常の暮らしで必要なものはとりあえずなんでも揃っています。また最近はアクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)ができたことで、日本を代表するアーティストの公演や世界的に著名な人やグループによる文化公演などがぐっと多くなりました。そういった点からも姫路市は暮らしやすい街だと思っています。姫路はどんな街か? と聞かれたら、やはり歴史ある街というのが一番に頭に浮かびます。姫路城がありますが、実は姫路はそれ以前から開けていた土地と言われています。縄文時代の遺跡があり、数多くの古墳があることからも姫路は昔から播磨の中心だったといえそうです。

姫路が誇る世界遺産の「姫路城」は季節ごとにその風情を楽しめます

姫路生まれ姫路育ちの私が子供のころは高い建物もなく自宅の部屋の窓から姫路城が見えていたので、きれいだなぁと眺めながら、とても身近に感じていました。地元の誇りです。
しかし姫路に住んでいながらも「実はお城の中に入ったことがない」というかたは案外多いのです。でも私の場合は、遠方からお客様が来られたら必ず天守閣までご案内していました。以前にイギリスやノルウェーなどの海外から来られたお客様はとても喜ばれるので、ご一緒して何度も上にあがりました。

姫路城の壮大さは外からでも十分鑑賞できますが、お城の作りとしての凄さはぜひ中に入って体験されてみてください。6層にわたる急な階段を頑張って登りきると海抜92mの大天守。そこからは360度に近い風景を見渡すことのできるご褒美が待っています。
姫路城は三の丸広場から見るお城が一般的ですが、姫路市立美術館側からや反対の西の丸の方から見るのも面白いです。周りをぐるっとお散歩してみるのも気持ちが良いです。姫路市立美術館と県立歴史博物館の間の道をぶらぶらするのもおすすめです。
また千姫天満宮のある男山の頂上から見る姫路城は「世界遺産姫路城十景」にも選ばれたビューイングスポットです。ただし、長い階段もありますから足元を整えて向かってください。

ARアプリ「姫路城大発見」はお城内の所定の場所でアプリを起動すると解説などが得られますので、これも活用していただければさらに楽しめると思います。

姫路城を独り占めできる「三木美術館の屋上」


手前味噌ですが、姫路城の全景を眺めることのできる三木美術館の屋上は姫路市観光でぜひお勧めしたいスポットです。当美術館から姫路城までは直線距離にして約1Km強。その間には視界を遮るような高い建物はなく、しかも大天守と同じような高さで眺めることができます
春の桜が咲く季節はお城の周りがピンク色に染まり、絵のようです。また秋になるとお城へ向かう銀杏並木が一面に黄色く染まり、それはそれでまた美しいものです。
美術館へ入館された方でご希望の方には屋上へご案内していますのでお声をかけてください。

お城の麓に広がる姫路城西御屋敷跡庭園「好古園」散策でタイムスリップ

「好古園」は市制百周年を記念して建造された約1万坪の日本庭園で、2022年のじゃらんが行ったアンケート「圧巻の絶景紅葉ランキング」でなんと1位をとりました。
この庭園は、調査で判明した1600年代の西御屋敷や武家屋敷、通路等の地割を活かして大小の日本庭園等を配しています。また裏千家第十五代家元千宗室氏の設計・監修による本格的数寄屋建築の茶室「双樹庵」があることでも有名です。世界遺産・国宝姫路城を借景とした庭をゆっくりと歩くと歴史の時間を紐解いている気分になります。
桜と紅葉の季節の夜はライトアップもされるので、昼とちがう艶やかな雰囲気も楽しめます。

南北に長い姫路市は海も山も楽しめる街です


姫路市は合併をして段々と大きくなってきています。一番近いところでは2006年(平成18年)に1市4町の合併で、私の子供のころからするとずいぶんと大きくなったなぁという印象です。姫路市の北には雪彦山、南には瀬戸内海ですから、山と海の両方を楽しめる街です。

北の名所「雪彦山(せっぴこさん)」では、本格的なトレッキングができます

雪彦山というのは洞ヶ岳(ほらがだけ)、鉾立山(ほこたてやま)、三辻山(みつじやま)の三山の総称ですが、かつて地元では洞ヶ岳を雪彦山と呼んだことから一般的には洞ヶ岳を指すことが多いようです。この山は岩場が多く修験道の場として知られています。関西のロッククライマーにとっては聖地と呼ばれることもあるらしいです。ここまで聞くと怖気付かれるかもしれませんが、トレッキング初級者が登れる道と上級者が登れる道があるので、ご自分に合った道のりを選べますのでご安心ください。

南の名所「飾磨港(姫路港)」は食も豊かな瀬戸内海への玄関口です

古くは万葉の時代から機能していて、遣唐使の船も出入りしていたという港が現在の姫路港です。この港は飾磨(しかま)地区にあったので、地元の人は昔ながらの飾磨港と呼ぶことが多いんです。姫路市は姫路城の存在が大きいので、陸の印象が強いかと思いますが、この飾磨港そしてその先に広がる瀬戸内海は姫路市の大きな魅力ですから皆さんに知っていただければと思います。この港からは、瀬戸内海の家島諸島への運行船も出ています。家島諸島は姫路市から約18km、播磨灘の沖合にある大小44の島々から構成されています。瀬戸内海国立公園にも指定される風光明媚な島々です。釣りなどのアクティブな過ごし方も楽しめますよ。

大人も子どもも楽しめる「日本玩具博物館」まで足をのばしてみてください

姫路市には姫路市立美術館や県立歴史博物館などもありますが、個人的に気に入っている博物館をご紹介させていただきます。姫路駅や姫路城からですと少し距離のある田園地帯にありますが、とても楽しい博物館です。土蔵造りの6棟の建物に日本をはじめ世界各地の玩具や玩具資料を所蔵されています。

その季節に合わせた玩具を展示されていますが、とにかく数が多く時間を忘れて見てしまいます。しかも驚くことにこの博物館の誕生は現館長である井上氏が子どもに関わる文化遺産が失われつつあることを危惧して個人的に収集をされたのがきっかけと聞いています。

海外との文化交流や書籍の出版などとても真摯に活動されている様子に感銘も受けます。
また縮緬細工の伝承と普及にも力をいられていて、縮緬細工の作品に特化したミュージアムショップがあるのも魅力的です。

                     [企画制作/ヴァーティカル]


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