情報には対象年齢がある
ほとんどすべての学校では一定のサイトへのアクセス制限をするフィルターがかけられている。当然だ。変なサイトに不用意にアクセスしてトラブルが起きるのを防ぐためだ。私が外部講師として授業中にサイトにアクセスする必要がある時には、事前にアクセスできるか確認をしてもらっている。だが、稀に授業の流れで想定外のサイトにアクセスすることがある。そして稀にブロックされる。そんな時、児童生徒は何と言ったか。「先生!フィルターの外し方教えてあげるよ!」。そして教室には微妙な空気が流れる。
フィルターを外すことに罪悪感がない
これまでも色々な学校の先生から、フィルターを勝手に外している児童生徒がいる、ということは聞いていたが、私はてっきりコッソリしているのだと思っていた。しかし、堂々と外していることを公言してしまっている生徒がいた。それは衝撃だった。どうやらフィルタリングについて本当の意味で理解していないように見えた。
情報の対象年齢がわかりにくい問題
ネットの普及により、様ざまな情報に容易にアクセスできるようになったことは、現在の子どもたちにとって、非常に難しい環境になったことを意味している。ネット以前であれば、テレビで夕方は子ども用番組を、ゴールデンタイムは家族用番組を、深夜は大人用番組を、というようになんとなく区別されていたし、それを大人が制御することが可能だった。だが今は違う。 年齢別にカテゴリ分けされていない膨大な情報に、いつでもどこでもアクセスできてしまう。
まずは情報の対象年齢を意識すること
ある学校で、アプリの年齢制限について、先生からリクエストいただいてお話しした時のこと。見学されていた先生が言うには、子どもたちの反応がよかった、という。どうやら子どもたちはアプリごとに対象年齢が定められていることを意識していなかったらしい。これには少し驚いた。なぜならアプリのダウンロードページには対象年齢が必ず書いてあるからだ。しかし情報がそこにあっても、それを確認しないのであれば意味がない。
そして、たまに学校の先生や保護者であってもアプリの年齢制限について知らず、「イマドキの小学生はTwitterとかInstagramやってますよ」という話を聞くこともある。(TwitterもInstagramも対象年齢は12歳以上なので、ほとんどの小学生は対象外なはず)。
まずサービスを利用する時には、情報を隅々まで確認する、ということが大人にも子どもにも、求められていると思う。
YouTubeの対象年齢は13歳以上
多くの子どもたちが使うYouTubeの利用規約にはこのように記載されている。私の知る限りでは、YouTubeを自由に回遊している13歳以下の子どもは非常に多い。これはもっと多くの方に知られるべき事項だと思う。YouTubeで何か問題が起きて、それが13歳以下の場合は保護者の責任なのだ。
ポジティブな言葉で説明する
フィルタリングも、アプリやサービスの年齢制限も、納得して守ってもらうにはどうしたら良いのだろうか。私は、「年齢制限」という表現ではなく「対象年齢」と表現するのが良いのではないか、と子どもたちと話をしていて考えた。「私たちは情報を制限されているのだ」と考えるとなんだか反発したくなるかもしれないが、「対象年齢ではないから、今は見られないのだ」と考えると、数年後には見られるという少しポジティブに捉えてもらえる気がする。同じことを伝えるにも少し工夫した方が良いかもしれない。
また、学校が意図的にフィルタリングをしているだけでなく、アプリやその他情報にも対象年齢が定められていることを伝えることで、「それぞれの情報には対象年齢がある」ことを理解することができる。それはフィルタリングが必要であることを理解することを助けることができるだろう。
ということで、まずは『情報には対象年齢がある』ことを知るところから始めるのがおすすめです。
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