【完全なる日記です。それでもよかったら読んでください】バリが思い出になる前に
みなさんこんにちは。
バリという島の沼民Mikiです。
このタイトルを見ておやっと思ったそこの貴方、天神駅の改札口でお会いしたことがあるかもしれませんね。
では、日記始めますぞ。
離脱するなら今ですぞ。
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2023年2月11日、バリ島「ノマドニア」での灼熱の日々を終え、帰国前日に私が向かった先は、サヌールというバリ島東部のエリア。
バリ島で一番始めに観光地として開発され、今は客層年齢やや高め、激混みチャングーからくると、それはそれは落ち着いたエリアである。
そしてそこは、四半世紀近く前に、私が通い詰めた思い出の場所でもある。
チャングーの宿は最後の日まで抑えてあったのだけれど、帰国便が朝早く出るので、空港からやや距離のあるチャングーから、あの激込み渋滞に巻き込まれて飛行機乗り遅れるのはまじで勘弁だし、やっぱり最後はサヌールで過ごしたい。
そんな思いで、どケチの私がチャングーでの残り一泊を捨てて、サヌールでかつての常宿を予約。最後にバリに来たのが13年前だから、13年ぶりに宿のファミリーに会えるんだな、と期待に胸を弾ませながら、Grabのタクシーでガン寝。
「着いたよ、ここで合ってるよね?」とGrabタクシーのおっちゃん(多分私より若い)に確認され、宿まで荷物を運んでもらいチェックイン。
ほぼ全改築したのか、私の知っていた頃の面影は全く宿にない。
とりあえず今夜使うだけの荷物をスーツケースから取り出し、外にご飯とマネーチェンジに出ようと思ったところ、お約束の大雨。
そして、この時にはもう気づいていたのだが、どうやら私は宿の予約を間違えたらしい。
このお宿、同じ名前で1と2があって、ご兄弟で経営されている。
私のかつての常宿は1の方だったのだけれど、間違えて2の方を予約してしまっていたのだ。
「またやっちまった…。」と凹んでいても仕方ないので、雨が止むまでしばしパソコン作業をしていた気がする。
雨季とはいえ、日本の梅雨のように一日中雨が降り続けるということはあまりなく、1-2時間もすれば雨はすっと引いていくことが多い。
出歩ける程度の小雨になったので、いざお散歩へ。帰国前日だというのに、宿目の前のコンビニでマネチェン。
ふらふらと街へ繰り出すと、13年の時が街をすっかり変えていた。
なんだかやたらとおしゃれになり、知らないお店やホテルが立ち並んでいる。
それでも老舗のホテルを目印に、歩き続ける。
目の前に現れる日本食レストラン。そうだ、お腹減ってたんだ。
「メニュー見てもいい?」と店員さんに断って店頭に置かれたそれを眺めていると、目に飛び込んでくる「MISO SOUP」の文字と写真。
若い頃は、海外でわざわざ日本食食べるなんて、勿体ない!と思っていたけれど、年月は人を変える。
バリ腹が収まった後もなんとなくお腹のだるさを引きずっていた私は、結局そのままご入店。
ご飯とみそ汁に、から揚げ、餃子、サラダと、男子高校生のようにがっつり注文。
「このサラダ、ガストなら〇円、餃子は王将なら〇円、から揚げはそもそも味がなってないだろ…。」と、一人なのをいいことにちょっとだけぶつぶつ文句を言いながらも、なんだかんだでご堪能。
税率はお店によって異なりますが、レストランは税とサービス料が課されます。ここは合わせて15%。
そんなわけで、お会計約2,000円。
まぁ、最後の晩餐だし、いいよねぇ。
お腹も満たされ、旧常宿を目指し北上。
10分弱も歩いただろうか、あった、「1」の方。
かつてお土産屋さんだった宿入口付近は、今は金魚と絵のお店になっていた。
「こんにちは、ちょっとお店見ていい?」とそこにいたあんちゃんに声をかけ、店内をぶらぶら。
すると、なんか知っている顔がいた。
爆速で脳内記憶をスキャン、昔のことはよく覚えているので、すぐに分かった。
そう、彼は宿ご夫妻の息子だ。
「ねぇ、クトゥのお子さんでしょ?」と声をかけてくる東洋人に、若いバリニーズボーイは「そうだけど…。」とちょっと戸惑っている。
「私はねぇ、君がまだちっさい頃によくここに来てたんだけど、ご両親は元気?」とニコニコで聞いてみると、「もう別れたよ。お母さんはもういない。」と、割と衝撃の返事。
まぢか、ここもか(自分も離婚してるので)と思いながらも、「ちょっと、宿の中見ていいかな?」と、ずうずうしく宿へ潜入。
果たして宿の中に足を踏み入れると、新棟もかなり建ってはいたものの、昔泊まったあの部屋もこの部屋も、まだ現役で稼働していた。
そして映画のワンシーンのように、少し年を取った宿のご主人が、趣味で飼っている鳥の世話をしている場面に遭遇する。
「こんにちは。私のこと、まだ覚えてる?」
という質問に、宿のご主人はちょっと考える顔をする。
「そんな何十年も前のこと、覚えてなくて当然だわな。」と、自己紹介をしようとしていると、なんとご主人の口から私のフルネームが飛び出した。
これには正直びっくり。
年間何百というお客さんを迎えているであろう中で、最後に来たのは13年前、その時ですら7年ぶりのバリで、常連だったのはもう四半世紀近く前の話。
びっくりして何から会話が始まったのか忘れてしまったけれど、なんだか色々な話をした。
彼はもともと足が悪いのだが、そんな自分を元奥さんが求めてくれたのに、もめにもめて出て行ってしまったこと、その直後にお母さんが亡くなられたこと、一生薬を飲まなければいけない病気にかかったこと。
もう、死んでしまいたかった、でも今は、神様に感謝して生きている、と彼は話してくれた。
私もすんげーもめて離婚したんだよ、そんでもって甲状腺の病気になって、私も一生薬飲まなきゃいけないんだよ(のんでないが)と、自分も語ってみるのだが、バリパワーで元気が注入されている私は、なんとなくカラッとしているなと自分でも思いながら話していた。
私の突然の来訪を喜んでくれたご主人は、その後、宿の新しくなった部分をあれやこれやと案内してくれた上に、キッチンでコーヒーをふるまってくれた。
今回はチャングーに勉強しに来て、今日が最後の夜なんだ。本当はここを予約したつもりが、間違えてお兄さんの宿予約しちゃった。今度は必ずこっちに来るね、飛行機が朝早いから、明日は7時には出発なんだ~。
よもやま話に花を咲かせた。
そして、もう帰ろうかというときに、(私が泊まっている)お兄さんの宿に用があるから行くけど、バイク乗ってく?と、ご主人はバイクで宿まで私を送ってくれた。
そうして宿に送ってもらって、お兄さんの方にも会って、ご挨拶。
お兄さんの方も私のことを覚えていてくれて、「昔は弟の宿に泊まっていたのに今回はうちの宿なの?泊まってくれてありがとうね。さっきは出かけていて、お出迎えできなくてごめんね。」となんだか神対応。
最後の夜は少しずつ時間を刻んでいく。
宿ファミリーはそこから出かけるというので、じゃぁ私もナイトマーケットに行くからここで、というと、なんとナイトマーケットまで車に一緒に乗せて行ってくれるという。
なんかやっぱり、最後一泊だけれど、サヌール来てよかったな。
そしてシンドゥー市場(ナイトマーケット)で宿ファミリーと別れ、しばし市場をふらふら。
バリ腹中は飲んじゃダメ、と医者に言われていたジュースに目が行く。
そこから思い立って、ラインで妹とビデオ通話。珍しい光景に妹、大喜び。
ほんと便利な時代。
夕方日本食レストランに行ったのに、なんだか小腹が減っちゃって、インドネシア風ラーメンを注文。
最後の夜を楽しみ、明日の朝食にする半額になったパンを仕入れて、ご満悦で帰宅。
そして翌日、寝坊した 。
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン。
「目覚ましは、ちゃんとかけといたのにぃ、ナイトモードになってたからアラーム鳴んねぇし、つかアラームは鳴らなきゃダメだろ!」とまたひとりでぶつくさいいながら支度。お風呂からでてジーパンに片足を突っ込んだところでドアがノックされて、宿のご主人の声。
「7時に出るって言ってたけど、出てこないから大丈夫かなと思って…。私は出かけちゃうから最後のご挨拶を。」とまたまた神対応。
「ちょっとまってくださいね~。」とあわててジーパンを上まで引き上げ外に出てみると、ご主人がお別れの挨拶をしてくれた。
そして、本当はそっちに泊まりたかった方の宿のご主人クトゥも、来てくれていた。照れなのか、なんかこっちに背中向けて座って鳥の世話をしている。
「おはよ~。いや~寝坊しちゃってさ、早めに7時に出ようと思ったんだけど、まだ飛行機の時間までは余裕あるから。」とかなんとか、言い訳めいたことを口にしたような気がする。
「写真撮ろ~よ!」と声をかけると、「まだお風呂入ってないよ~(バリの人は朝と夕方2回シャワーをする)。」と恥ずかしがりながらも、撮影に応じてくれた。
そして私はGrabのタクシーを呼び、クトゥはお見送りをしてくれた。
なんか、エモかった。
最初の方はタクシーの中で起きていたけれど、結局寝落ちしていて、あっという間に空港到着。
チェックインは事前にオンラインで済ませていたので、手荷物を預け搭乗券を受け取り、昨日仕入れたパンをほおばる。
出国を済ませ、とうとう今回のバリも終わろうとしていた。
搭乗前に偶然にも「ノマドニア」同期のぱみちゃんと会い、同じ便で帰国の途に就くこととなる。
いつも、って最後のバリですらもう13年も前だけれど、帰るときは悲しくて切なくて仕方ないのに、なんだか今回はあっさりとしてる自分がいた。
それは、またきっとバリに帰ってくる確信が自分の中にあったからだ。
理由はよくわからんけど、またバリに帰ってくる。
そうだ、ここは心の故郷だった。
じゃあねバリ島、また帰ってくるから。
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今回4000文字超えました。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
日記なので、自分の思い出の記録になればそれで充分なのですが、私のバリ愛がどなたかに伝われば嬉しいです。
世界中の人々を魅了してやまない神々の島、バリ島。
あなたも是非一度、足をはこんでみませんか?
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