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アリゾナに行ってきた。

前回の投稿からなかなか書けなくて、ずいぶん時間が経ってしまっていた。
ダウン症次男については特に書くような事件やら、心揺さぶられる出来事がなく、平和だったからか・・。
地味におもろいことは日常的にあったのだが、文章にするほどのことはなく。(ピザの一切れで顔をトントンする仕草をしながら、「メイク!」と言ったりとか。そんな〝モノボケ〟できるんかいな!と若干感動した。)

昨年の年末くらいから、私は自分の仕事のことを考える時間が多くなっていた。
〝アクセサリーデザイナー〟、と一応言っているが、そもそもは〝買い付け〟だけでどないか商売したい、〝海外買い付け〟大好きなので、コロナが落ちつきかけるとソワソワと「ひっさびさに、インディアンジュエリー買いに行きたくなってきたー!」と周囲にもらしていた。

アリゾナのツーソンで毎年開かれる、世界最大の宝石や鉱物、化石の展示会にもずっと行きたかったので、思いきって行ってきた。

「おばあちゃん、ごめん。ごめんなー!9日間、よろしくお願います。」完全丸投げで。カレーやらシチューやらスープやら中華風そぼろを冷凍したのやら、ある程度の作り置きくらいは用意して。
車を運転できて、一応英語も話せる実弟をお供に、いざ22年ぶりのアメリカ、アリゾナへ!

22年前の前回の買い付けは、実妹がアリゾナに留学していたこともあり、ネイティブアメリカンの方たちが住むレザベーション(居留地)を案内してもらい、そこでインディアンジュエリーを買い付けた。

それから長男が生まれたりして、アメリカ、しかも地平線を見ながら長時間運転しないといけないような買い付けはできないもの、と思い込んで行こうともしていなかった。
商売的にも、イミテーションの組み立てのアクセサリーをアパレルメーカーに卸す事がメインとなっていたので、インディアンジュエリーは仕事のメインにはしにくい状況だったこともあり・・。

そうこうしているうちに、ダウン症次男が生まれ、一年半後に娘が生まれてからは、その瞬間、瞬間は何かを考えながら何とかこなしていたのだろうが、今となっては全く記憶がない。
仕事に関しても〝何か〟を考えながらやっていたのだろうか。
その辺りの数年間のことを何も覚えていない。

やっと我に返った50歳。
頼みの綱のおばあちゃんが介護状態になる前に(旦那は戦力外)、行けるところに行っておかないと!と焦り、「そうや!アメリカに行きたかったんやー。」と思い出した。

結果・・
仕事的にはすごく収穫があった。

ツーソンのジェムショーではターコイズやインディアンジュエリー、ヴィンテージビーズなどをたくさん仕入れることができた。
化石も見るだけで楽しかった。
ゴロゴロとした鉱物も。
展示会を見るだけで、ツーソンは終わってしまったが、その後あの〝スピリチュアル スポット〟のセドナにも寄ることができた。

セドナでは仕事はなかったが、次の目的地であるニューメキシコ州のギャラップまでの通過点だったので、癒されに寄っていこう!と。
その後、妹が留学していたフラッグスタッフにも立ち寄ることができた。

セドナ・・
おしゃれで意識が高い芸能人やアーティストが行くところ。
スピリチュアルな空気の中でパワーを浴びて、生まれ変わるところ。
何ならスピリチュアルセッション的なものを受けて、前世でも見てもらうべきか・・

などと思いながら、セドナへ。
着いてみると、めーっちゃ観光地やん!
安心したー。
お金持ち中国人や韓国人マダムの団体、アメリカ国内旅行らしいティーンネイジャーや家族連れがキャッキャと写真を撮りあって楽しんでいる様子を見て、ほっとした。本当に微笑ましかった。平和だった。

確かに景色はすごかった。
真っ青な空と大地。
今までに見たことがない景色、今までに感じたことがない空気があった。
言葉では言い表せない、清々しい気持ち。
スピリチュアルとか鈍感な私にはわからないけれど、こんなに気持ちの良い場所があるんや・・
さすがセドナ。
帰りたくない。
何も考えたくない。考える必要もない。

と思っている気持ちとは裏腹に。

何故か日本に帰ってからの日常の細々したことを思い出してしまった。

あー、家に帰ったら・・

朝全く起きないダウン症次男を起こさないと。
心配性な娘の持ち物、宿題を一緒に確認。
連絡帳チェック、体温表を書く、宿題の丸付け、音読カード記入、水筒のお茶、給食セット、給食着、体操服の用意、習い事の送り迎え、買い物、節約、晩ごはん、お風呂、洗濯、長男への仕送り、仕事と子どもたちのスケジュールの調整、旗振り当番、ママ友への LINEの返事、ランチ、子どもたちの話を聞く・・

自分でも楽しんでやってたはずのことまで、何か億劫なことのように感じて、セドナの空気の中で、「なんで今これを思い出すねーん!」と一瞬どんよりした。

よくセドナなどスピリチュアルなスポットやインドなど価値観が日本とは大きく違う土地に行くと、〝人生変わる〟みたいなことを言う人がいるが、
「いや、変わらんから!」

家に帰ったら、それがそのまま現実やから!
子育てや家事、それが嫌とかそういうことではない。旦那とも上手く付き合っていけるつもり。
「やらなあかんことは、やらなあかん」ただ、それだけ。

セドナの壮大な自然の中で、妙に冷静になって、その後の買い付けもサクサク進んだ。

その後のギャラップや宿を取ったズニ族の居留地でも本当に居心地が良く、きちんとビジネスマナーが整った業者さんから買い付けをさせてもらい、今後の仕事の展開へも夢が広がった。

これから数年間の展開を頭に描くことができて、大満足な旅だった。
できれば今年中にまた買い付けに行きたいと思う。
アメリカにはアメコミ大好きのダウン症次男もいつか連れて行ってやりたい。
仕事、がんばろ。




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