バレーボール用語ってそもそも何?
概要
・バレーボール用語に関する、私の姿勢を書いてみようと思います。
・バレーボール用語は、以下の目標のために使うと便利に活用できる。
・バレーボール用語は、自然に存在するものとするより、バレーボールに関わる人々自身で磨いていきたい。
用語の目標
・概念を認識するため -> 名前重要
・コミュニケーションを取るため -> 語彙の共有
・前提を共有するため -> 螺旋状の変化
概念を認識するため -> 名前重要
概念は、名前がついている方が認識しやすくなります。
例えば、「シンクロ攻撃」は複数スロットから同じテンポで攻撃する戦術です。
それを、
・単に、複数位置から攻撃しているものと認識するか
・リードブロックへの対抗策として、明確な意図を持った戦術と認識するか
ここには、認識において大きな違いが出てきます。
そして、認識が変わると、理解と対応に違いが出てきます。
用語は、概念を定義するので、その認識のために活用することができます。
コミュニケーションを取るため -> 語彙の共有
人の頭の中は覗けないので、言葉によってコミュニケーションを取る必要があります。
ただし、言葉の理解には個人レベルでの差があります。
なので、共通の理解がないと、コミュニケーションのズレが起こります。
そのために、お互いの理解をすり合わせる必要があります。
すり合わせができると、お互いが、ある語からイメージするものが揃うようになり、考えていることを伝え合いやすくなります。
このように、用語は、コミュニケーションの橋渡しをしてくれます。
前提を共有するため -> 螺旋状の変化
ルールの変更や研究結果などによって、バレーボールの戦術は変化します。
例えば、「セッター近接スロットの1stテンポのアタック」、つまり「クイック」は、60年代の日本で生まれたといわれています。
その頃のクイックと、今のクイックは、とても似ています。
ただ、その間の時代にあった、
いわゆる「コンビバレー」のコンセプトにおけるクイックと比べると「遅く」なっています。
これは、ディフェンス戦術の進化の影響によって、オフェンス戦術が進化した結果です。
ブロックのシフトの変遷も似ています。
例えば、デディケートシフトは2000年代前半にトレンドとなり、そして2010年代後半に再流行しています。
このように、不易と流行の「流行」の部分は、ある程度の期間で似た要素が回ってきます。
ただ、それは円ではなく螺旋のように、差分を持って変化した状態で回ってきます。
それらを使いこなすためには、その前提(コンテクスト)を理解し、共有している必要があります。
ただ、毎回この前提を確認しながら会話することは難しいです。
特に試合中などは、とても短い時間でコミュニケーションを取る必要があります。
用語は、その前提(コンテクスト)までも含んでいるので、そのために活用することができます。
最後に
バレーボール用語は、思考やコミュニケーションをやりやすくするために活用できると考えています。
なので、上手く使いこなしていくために、バレーボールに関わる人々自身で磨いていきたいです。
モブプログラミング的に、皆でわいわいモブ用語定義やりたいですね(笑)
バレーボールがOSS的に作られていく世界になってくれたら最高!
refs.
「セリンジャーのパワーバレーボール」
https://amazon.co.jp/dp/458303055X
「バレーぺディア」
http://volleypedia-jp.org/mediawiki/index.php/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
「名前がないものは見えない――名前重要」
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1706/01/news168.html
「SQLアンチパターンのすべて【第十六回中国地方DB勉強会】」
https://www.youtube.com/watch?v=3ARJpYZA9uI&feature=youtu.be&t=598
「チームの語彙を育ててコミュニケーションできるチームをつくる」
https://speakerdeck.com/osa/build-vocabulary-build-team
「技術選定の審美眼」
https://speakerdeck.com/twada/worse-is-better-understanding-the-spiral-of-technologies-2019-edition
記述主義と規範主義の話
「文法なんて、どうでもいい?」
https://www.ted.com/talks/andreea_s_calude_does_grammar_matter/transcript?language=ja
「実用辞典は役に立つ―国語辞典と実用辞典」
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kok_nyumon02
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