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民間のチカラで地方創生

総事業費1,000億円超、雇用創出1,000人超!
ジャパネットグループが「長崎スタジアムシティ」に投じた金額と、雇用創出規模です。

長崎スタジアムシティは同社の長崎創生ビッグプロジェクトで、サッカースタジアムを中心にアリーナやリゾートホテル、商業施設、オフィスビルを有する巨大複合施設。
10月14日、JR長崎駅近くにオープンしました。
オープン前日のこけら落としには、長崎出身の福山正治さんが無料のフリーライブを開催、長崎県内の随所でもパブリックビューイングが行われて、長崎全体が大いに盛り上がりました。

私はプレスプレビューをお手伝いしましたが、すべてが民間のチカラで進んでいることに心打たれ、これからの地方創生には民間のチカラが不可欠と確信しました。

100人を超えるメディアが、民間主導の長崎創生を熱烈応援

プレビュー当日は、地元・長崎だけでなく東京、関西、広島、博多からも多くのメディアが訪れ、取材陣は100人を超える規模に膨らみました。
そこには「民間が大きなリスクを背負って、長崎創生に挑む」その社運をかけたプロジェクトを全力で応援したい、そんな気運が満ちていました。

国や自治体が税金を投じて造る施設には、少なからず批判が伴うものです。
これまで私は再三、そんな施設のPRに携わり、好意的な報道を喚起するため様々な工夫を重ねてきました。
しかし今回の「長崎スタジアムシティ」にそんな苦労は必要ありませんでした。少なくとも、プレスプレビューからオープンの時点では、誰もが民間主導の地域創生に感動し、「少しでも力になりたい」と全力で応援していたからです。

メディアだけではありません。
福山雅治さんも、これら落としライブでみずから「このプロジェクトを知って、私からフリーライブを提案した」と仰っていました。

このように誰もが「力になりたい、協力したい」と思う地方創生は税金で行うものではなく、民間がみずから行うものでなければ、実現しないのかもしれません。

長崎スタジアムシティの中核をなす「ピーススタジアム」

地域を元気にしたいから、上場しない

また、同社の言葉「長崎創生するために上場しない。上場したら、こんなチャレンジ、できないでしょ」には感動しました。
ジャパネットグループほどの規模になれば、中核をなすジャパネットホールディングスが上場しても不思議ではありません。
というより、上場する方がフツーでしょう。
しかし、上場したら自由な投資はできません。
長崎創生に1,000億円を投じることなど、考えられないのではないでしょうか。

創業者の高田明さんは、日経グローカルのインタビューに次のとおり答えています。
「ビジネスは成長だけを求めるのではなく、プラスアルファが絶対に必要だと考えている。それは継続するということ。成長を継続するためにはミッションが必要だ。何のために企業があるのか。それをやっていくことがビジネスの根幹ではないだろうか」 (日経グローカル No493 より抜粋)

長崎スタジアムシティを立ち上げたのは、長男の旭人さんですが、この創業者マインドを立派に受け継ぎ、さらに大きく成長させたのでしょう。
高田旭人社長は事業継承後、売上を2倍近く押し上げ、長崎スタジアムシティで「地域創生のモデルを長崎でつくりたい」とコメントしています。

全国でも5番目に高い、長崎県の人口減少率 

長崎県の衰退は著しく、2050年には、2020年に比べて33.8%も人口が減少すると推測されています。
この推定減少率は全国5番目に高く、このまま何もしなければ消滅する可能性も否めません。すでに、待ったなしの状況と言っても過言ではないのです。

もちろん、長崎県や長崎市も頑張っておられると思います。
しかし税金はまず、福祉や災害対策など住民支援に使わねばなりません。増してや、これから少子高齢化が進むばかりです。そんな中、1,000億円もの大金を投じて、地元創生の起爆剤をつくることはかなり難しいでしょう。

つまり、現実問題として、民間が立ち上がらなければ、今の地方を創生することは不可能であり、国や自治体に頼るばかりでは地方の衰退を止めることはできない、と言えるのです。

施設内のリゾートホテル「長崎スタジアムシティホテル」は
部屋からも、プールからもスタジアムが展望できる。

今こそ、地域創生に取り組む企業に光を当てる仕組みづくりを!

地域創生に熱心な企業は、ジャパネットグループだけではありません。
群馬県前橋市でも、眼鏡で全国展開するJINSがホテルをつくって、群馬創生に頑張っておられると、知人が教えてくれました。

調べると、2013年に起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード」、翌年に起業家を育成する「群馬イノベーションスクール」をはじめて、群馬の活性化に尽力されているようです。

JINSを展開する(株)ジンズホールディングスは上場企業ですが、それでも地域創生にできることはある、ということです。
ただ残念ながら、その取り組みは地元以外、あまり知られていないかもしれません。少なくとも私は、長年、地方創生に取り組んでいるにも関わらず、知人から聞くまで知りませんでした。

「地方創生は、国や自治体が進めるもの」といった社会の通念が伝わりにくくしているのかもしれません。

今こそ、地域創生に尽力する企業に光を当て、その取り組みを広く全国に知らせ、後に続く企業を育てる仕組みが必要ではないでしょうか。
私はそれこそが、日本を活性化させる特効薬になると思います。






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