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続・コンクールとの付き合い方

なんと2年ぶりの投稿です。すっかりご無沙汰してしまってすみません。
以前にも書いた内容と重複もありますが、何卒ご容赦を。あらためて写真におけるコンクール(コンテスト)との付き合い方について一くさり。

運動部にインターハイ(全国高校総体)があるように、文化部にも「全国高等学校総合文化祭(全国総文)」があります。が、その性質はかなり異なります。写真には写真専門部というものがあり、各都道府県のコンクールを勝ち抜いた代表作品で改めてコンクールを行う形です。つまり事実上各都道府県のコンクールが地区予選の役割を果たしているわけです。そんなわけで、全国総文を「文化部のインターハイ」と呼んだりもします。

が、その呼称にはいささか違和感を覚えます。理由は次の3つです。

  1. 全国一律の応募規定・選出方法ではないこと

  2. 高校写真部は、「頂点」が1つだけではないこと

  3. 運動部のような純然たる「勝ち抜き戦」ではないこと

まず1と3について。要するに、各都道府県によって審査方法も、応募規定も千差万別であるということです。インターハイ(運動部)では地方によって競技のルールや選出方法が違うなんてことは基本的にあり得ないですよね??審査方法を例に挙げれば、やはりプロ写真家に審査を依頼するのが一般的ではありますが、中には顧問の教員の投票のみ(!)で選出する都道府県もあります。応募されたプリントだけの状態で審査する、額装して展示してから審査する、県内各支部の予選を勝ち抜いた学校だけが県展に応募できる、などなど形態も様々。

また2について言えば、もちろん、運動部にもインターハイでない全国大会は存在するわけですが、多くの運動部が目標としてほとんど例外なく「インターハイ出場」を掲げているのも事実です(野球の「甲子園」はいささか特殊な例ですが)。それに対して、写真部はどうか。主観的に言えば「全国総文以外にたくさんの頂点(山)がある」。という感覚です。よみうり写真大賞。「写真甲子園」(団体戦ですが)。ニコンTopEyeフォトコンテストなどなど、率直に言えば全国総文以上のスゴい写真が集まるコンクールはいくつもあります

また、どの頂点、どの山を目指すかはもちろん自由なのに、一部の学校はいささか過剰な思い入れを特定のコンクールに抱いているというのもまた事実です。別にそれを目標とするのが悪いというのではなく、「傾向と対策」ばかりを気にして、審査員の顔色をうかがうような写真ばかり応募するなんて、いささか本質から外れた行為ではないでしょうか?と思うのです。いったいそれは本当の意味であなたの写真ですか?という問いかけです。

そういう学校を目にする度に「なぜそこまで?山は1つじゃないのに・・・」と思いますし、そもそも「競技」という山に登らなくたっていいのが文化部です。写真を「競技」としてしかやらないというのは、あまりにも視野が狭すぎやしませんか?と思うのです。校外展などの展示も、写真集を作ることも、地域を記録することも、コミュニケーションツールとして使うことも、賞とかなんとか関係なく見る人を和ませたり励ましたり、とにかくたくさんのことができるのが写真なのに。写真の可能性を自ら狭めてしまうのは、あまりにももったいないと思うのです。

全国の高校写真部員、そして顧問の先生方に、ぜひ一度考えていただきたい問題です。


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