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イマドキの高校写真部(その7)

今回は「写真部顧問の先生って、写真をどんな風に教えてるの?」。

実は私、言葉の定義にはこだわりがある方で。「写真を教える」とはどういうことか?をはっきりさせないと前に進めないのです。つまり問題は、写真の「何」を教えるのか、です。たとえば・・・

表現したい写真に合った絞り・シャッタースピードなどのカメラの設定、あるいはどんなレンズを使えばいいか。どんなプリントの仕方や、どんな展示の仕方があるのか。コンクールや展示に写真を出品するときは何に気をつけるべきか・・・などの知識・技術なのか。

それとも、

部長は誰にしたらいいか。先輩・後輩の関係をどう作るか。部の目標をどこに置くか(賞レースに走る?それとも写真で何ができるか幅広く考える?)。予算は?学校の補助だけじゃ足りないから部費を徴収するか。部員数は何人が適正か。コンクールや展示に間に合わせるためのスケジューリングは。・・・などの教育活動の一環としての写真(部)のあり方なのか。

これらのうちどちらに比重を置くかは人それぞれですが、高校写真部では、もともと写真の専門的な知識・技術を教えられる人はそう多くはありません(結果、ほったらかし→やる気なし→「吹きだまり」になりがちだった)。なぜって?当然ながら、芸術系の高校・大学などでもない限り「写真」という教科・科目は存在しないし、そういう教員免許で採用されたわけでもないからです(苦笑)。つまり、仮にそれなりに写真に詳しい先生(例えば私)がいたとしても写真部顧問は基本的に全員が「独学」なわけです。

言い換えれば、写真部顧問だからと言って写真が上手であったり、詳しかったりする必要はないわけです。身も蓋もない言い方ですが「ググればいいじゃん」という考え方もあるし(笑)。「事務屋」に徹したり、あるいは「写真でこんなことができるんだけどやってみないか?」という提案力が少しでもあるなら、それもまた立派に顧問としての役割を果たしていると言えます。一般人目線(?)で「あ、この写真いいね」と言える方であればどなたでも写真部顧問になれると言っても過言ではありません。

ちなみに私はというと、一言で言えば「写真(の知識・技術)を教える」というよりも「写真で(何かを)教える」方向にシフトしています(個人的には、一番学べるのはスケジューリングや共同作業の大切さかなと思いますが)。もちろん、知識・技術を教えないわけではないのですが、それは表現したい写真がまず存在してこそ。こちらから、あるいははじめから知識・技術を「教え込む」という方法はとりたくりないのです。

まずは、好きなように撮ってきなさい→見せてごらん。ほう。ひょっとして君はこういう写真が撮りたいのかな?→それならこうすればもっと君の表現したいことが伝わるんじゃないかな?(と、ここで初めて技術の話が出てきます)

というのが、私の基本スタイルです。くどいようですが、私がそうだというだけで、顧問の数だけスタイルがあります。でもこれは確かかな、と思うのは「何をどう撮るか?どう見せるか?」という本質的な部分はなかなか教えられないんじゃないか、という点です。それだけは、本人が自分で見つけて腑に落ちないとどうにもならないと思うのですが、いかがでしょうか。

次回は、「他校の顧問の先生との間で感じるモヤモヤ」について。




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