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汚された白球

 連日スタジアムに足を運ぶ、日本海リーグ富山GRNサンダーバーズv.s.石川ミリオンスターズの三連戦、最終試合第37回戦。
優勝がかかっている、シーズンで最も重要な一戦。

 4回裏1点を石川ミリオンスターズが先制したが、それ以降お互い譲らない、0対1の緊迫した典型的な投手戦。

 6回表1アウト、四番三好選手が放った打球はセンターの頭を超え、打った本人は三塁まで激走する。

判定は三塁タッチアウト。

3塁側スタンド、サードベース近くで観戦していた筆者の目に映ったのは、明らかなセーフ。
リクエスト検証を求め吉岡雄二監督がベンチを出るが、何故かそれが通らず行われない。

温厚で知られる吉岡監督が抗議を続け、血相を変えた細谷圭三塁コーチは、審判に身体を止められる。

吉岡監督があれだけ長く抗議するのは、初めての事

 審判に求められる能力は正確で公平なジャッジは勿論だが、オーケストラの指揮者の様に試合をコントロールするのも大事な要素。

 プレーをジャッジした責任審判がマイクを持ったので当然、プレーやリプレイ検証について話をするのだと思いきや、放った言葉は
「(三塁側)吉本選手が審判的な侮辱発言があったので、退場と致します。」
とスタジアム観客全員がハァ?と思った、全くお門違いなアナウンス。

 以前から独立リーグ審判のレベルの低さは指摘しており、ましてや日本海リーグは3人しか居ないので、欠員が出れば2名で試合を廻す。
実際、そういう試合を目の当たりにした事もある。

 せめて審判は最低6名所属、ローテーションを組むなりしなければ、技術の向上、切磋琢磨が望める訳は無く、この様なVTRで自身のジャッジを確認しない、無気力で物臭な審判を起用していては、遅かれ早かれリーグは消滅する筈。

 映像が残っていなかったのかと訝しみ、帰宅してから試合を生中継しているYoutubeで確認したが、その場面のLiveの映像はしっかり撮れている。
しかしスロー映像のリプレイでは、そのシーンをカットしている醜悪至極さ。

 結局、この試合で石川ミリオンスターズが勝利しリーグ優勝の胴上げも行われたが、こんな穢れがついた優勝決定試合では、両軍の選手共に素直に喜び、祝福する事が出来ない。

 スタンドから激戦を繰り広げた相手チームに心から拍手を送りたかった筆者も、わたがまりが残る、モヤモヤした気持ち。

今シーズン2度目の機能しないリクエスト制度とリーグの存続を危惧させる今日の優勝決定戦は、来シーズンにも尾を引く喫緊の課題が明示された。

※9/12’24追記
今シーズンリプレイ検証が導入されたが、日本海リーグではホームベース上でのアウトorセーフのみ適用。
このルールは一般には公表されておらず、今回吉岡監督が行った抗議は、何故審判団で集まってジャッジに対し協議しないのかと言う内容。

試合後、審判団との話し合いも持たれたそうで、吉本選手への追加ペナルティは無し。

今後の技術向上への真摯な姿勢を、切に願います。

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