機能しないリクエスト制度
「リクエストが出ましたが、判定通りアウトになりました。」
Youtubeの実況アナウンサーはただそれだけ、言葉を放ちましたが、実際にスタンドに居た自分に聞こえてきた主審の説明は
「リクエストがありましたが、映像が無いため、判定通りアウトに致します。」
5回裏1対2の展開、ワンアウトランナー2、3塁で東田選手が打ったライトライン際のフライは、チームにとって貴重な追加点になる筈でした。
果敢にタッチアップを狙った吉本選手の判断は決して間違いではなく、試合中盤の追加点がいかに重要か熟知している吉岡監督は、アウトの判定に即座に迷う事なくリクエスト。
このリクエストは、日本海リーグに今季から初めて導入され、ピッチクロック同様、試合展開の早さと公平性を求めた制度。
各競技によって呼び名は違うものの、監督からのアピールによって審判団がビデオ判定を行うのは、NFLのチャレンジ制度が最初。
スポーツで先進的な制度、環境を作るのはアメリカンフットボールだが、それに遅れる事6年、これで少しは独立リーグも進んだなと思っていた。
今回、高岡ボールパーク球場で初めて行われたリクエストに映像が無かったのは、ホームを押さえるビデオカメラが、2年前から壊れていたそうで。
これは環境も整わせず、また壊れたカメラを2年間も放置していた、運営側の怠慢であり責任。
ならば試合前からビデオ判定及びリクエストはありませんと宣言すべきで、時期尚早に導入を決定したリーグにも問題があり。
リクエスト制度は”審判の公正な判断材料となる補助的システム”が主旨なのでアウトの判定に異議を唱えるつもりは毛頭無いが、明らかに※コリジョンルール適用のプレーに対してそれもコールしないレベルの低さ。
試合は結果、8回表石川ミリオンスターズの大誠選手の同点HRで引き分け。
選手達はその様な環境の中でも懸命なプレイ、心から大きな拍手と声援を送りました。
※コリジョンルール:
「日本のコリジョンルールは、公認野球規則6.01(i)項に規定されている。
規則の大要は、本塁での衝突プレイについて、
得点しようとしている走者が、走路をブロックしていない捕手または野手に接触しようとして、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで、走路を外れることを禁じる。
ボールを保持していない捕手が、得点しようとしている走者の走路をブロックする行為を禁じる。」
独立リーグのジャッジレベルの底上げを、切に願います。
強いてはそれが公正な明白なプレーに繋がり、観客動員の大きなモティベートになる訳で。