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インディペンデンス・デイ
「野球選手としての終わりは、いつか来る。これからもっと暑くなるが、そのまま一日を流して終わるか、プレーも熱くするか。上にあがるには、大切な心構えだぞ。」
いつもの全体守備練習が終わった後、細谷圭野手総合コーチが内外野陣を集め、一人一人の目を見ながら話す。
今日は吉岡監督は不在で、島崎・細谷コーチのみの指導なので、選手一人一人の主体性と自覚が求められる。
東田捕手は約40m先にネットとコーンを置き、セカンドへのスローイングを繰り返す。
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「先週の試合のセーフはスローイングのせいでは無く、入った選手のカバーリングの問題では?」
と言うと
「いや、ワンバンじゃ無く投げたかったです。」
そしてまた、黙々とスローイングを繰り返す。
「お願いしまーす。」
瀧本選手は細谷コーチのノックをみっちり一時間、受ける前に必ず声を出してから腰を落とす。
「先週の試合、危うくエラーが点きそうでしたね。跳ねてヒットになったけど、守備率10割キープ出来て。」
「いや、あれはエラーです。自分がもっと前に行けば、捕れた球です。」
『のび太にも良い所が一つだけある。それは彼は反省するんです。いつまでもいつまでも今より良い人間になろうと努力するんです。』〜藤子・F・不二雄
スタンドに誰が居ようが、ベンチに誰が座っていようが、そんなものは全く関係なく、今日の目標を一つ一つ。
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