吉岡雄二という人
富山GRNサンダーバーズの監督を’21年から務められてきた吉岡雄二監督が、東京ヤクルトスワローズの打撃コーチに就任要請された。
’14〜’17年の指揮も含め、この8年間に挙げられた実績は2023年リーグ優勝、和田 康士朗、湯浅 京己、大谷 輝龍、松原 快、髙野 光海選手をNPBに送った。
吉岡さん、あえて吉岡さんと呼ばせて頂くが、からお話を伺う度に感じるのは、一言一言が丁寧で、ゆっくりとじっくりと言葉を選びながら受け答えをして頂ける事、
そしていつも選手達の力を信じており、「大丈夫です。」と自分の眼を真っ直ぐに見つめ、揺るぎない確信を与えてくれる事。
初めて話しかけた際は、逆にこちらの事も色々尋ねられ、恐縮ながら、共通の話題で一気に距離が近づき、親近感が沸いた印象が強く残っている。
一軍打撃コーチに就任されるか、巡回打撃コーチになられるか、現時点で詳細は判明しないが、コーチの役割とはアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが残した言葉が一番的を得ている。
”船を造りたかったら、人に木を集めてくるように促したり、作業や任務を割り振ることをせず、果てしなく続く広大な海を慕うことを教えよ。”
独立リーグの選手達は精神的にも技術的にも体力的にもまだまだ精進を重ねる必要性があるが、吉岡さんはいつも自分自身で考える事の重要性を一番に説いてきた。
グランドでも、ブルペンでも、ぶれる事無く。
選手からアドバイスを求められた際に初めて技術的な指導をし、その言葉はいちいち的を得ていた。バッティングゲージ前で、ブルペンのマウンドで、真剣に目を輝かせながら話を聞く選手の顔を何度となく見てきた。
富山GRNサンダーバーズファンとしては吉岡さんの退団をかなりの痛手に感じているが、いつかまた城光寺で小矢部で高岡ボールパークで、お会い出来ればと思う。
選手達に負担をかけたくないと、練習前のグランドで自らホースを持つ姿、焼きついておりますので。
(写真は全て筆者撮影)