「おにぎり猫のクリスマス」 サンタクロースはだあれ? その2
おかかとこんぶのふたりは
今年も小さなツリーの帽子を作って
お母さんのお店のとなりでお客さんに買ってもらいました。
次の日にお金を寄付するために教会へ来ました。
そして牧師さんにサンタクロースは誰なのかを尋ねてみました。
牧師さんはやさしく答えてくれました。
「クリスマスにプレゼントを靴下に入れてくれるのが
誰なのかは、もう知っているのですね」
「サンタクロースは誰なのか、とても難しい質問です。
私は誰もがサンタクロースになれると思っていますよ」
「サンタクロースは世界中の子供たちにプレゼントを贈っていると言われていますね。けれどもプレゼントを貰えない子どもがたくさんいるのは本当です。
サンタクロースはウソをついているのでしょうか。
私はそうではないと思います」
「サンタクロースはプレゼントという【もの】を贈って
いるのでしょうか。
この世界には
プレゼントをいくらでも買える人がいます
その日に食べるものを買う事も出来ない人もいます
住む場所すらない人もいます」
「神様は、その人がどんな人であっても愛しておられます。
その人が豊かであっても貧しくても、
その人が優しくても意地悪でも、
その人が幸せでも苦しんでいても、
どの人もひとしく愛しておられます。
サンタクロースも同じではないでしょうか」
「プレゼントという【もの】を全ての人に贈る事は
誰にも出来ません。わたしにも出来ません。
サンタクロースにも出来ないのでしょう」
「けれども、その人がどんな人であれ
幸せで平和である事を祈る事は出来ます。
どんなに遠くにいる人にも
全く知らない人にも
思いやりの心を贈る事は出来るのです。
サンタクロースが世界中の子供たちに
今夜くばっているのは
幸せであって欲しいという祈りの心では
ないでしょうか。
私はそう思います」
「どうぞあなたたちも
遠くにいる誰か、知らない誰か、
一人で辛い寂しい思いをしている誰か
苦しみや痛みに耐えている誰かの
幸せを祈っていてください。
あなたたちもサンタクロースになってください」
「はい、そうします」
おかかとこんぶは、牧師さんのお話を聞いて
とても安心しました。
サンタクロースはちゃんといるのです。
自分の中にもいるのです。
子どもの自分たちにも出来る事があるのです。
ふたりは教会をおいとましてから
お母さんに会いに公園へ来てみました。
お母さんはお店にいませんでした。
続きは明日🍙
「おにぎり猫のクリスマス」その1
「おにぎり猫のクリスマス」その3
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元になっている漫画「おにぎり猫のものがたり」
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