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ドラえもんに対して決して抱くことのなかった感情

こんにちは、おがくずにゃんこです。

私の大好物なアニメジャンルに、近未来SFがあります。特にロボットと人間が共存するような世界観が好きなのですが、2023年7月から放送中のアニメ「AIの遺伝子」もその一つで毎週楽しみにしています。

Amazonやピッコマなどで、漫画版も数冊無料(期間限定)で読めるようになっているのでおすすめです。

ロボット系アニメが数多く存在する中、ドンパチしたバトルがメインではない作品は意外と少ないように思います。「イヴの時間」や「BEATLESS」が思い浮かびますが、夏休みに一気見できるほど数少ない気がします。もしおすすめ作品があればコメントで教えていただけると嬉しいです。夏休みに一気観します。


さて、冒頭紹介した「AIの遺伝子」などロボット作品を観るという行為について深掘りしていくと、ロボットが社会に浸透した未来はどのような暮らしか、という妄想をしていくことに繋がります。

古くから愛される作品「ドラえもん」はその最たる例ではないでしょうか。よくよく考えればひみつ道具など超常技術でしかないのですが、のび太くんを助けてくれるドラえもんという存在は道具という枠を完全に超えて、様々な感情を抱かせてくれる存在です。もしのび太くんが「必要なときに、必要なものが出てくる四次元ポケット」だけを持っていたとしたら、こんなに感動的な作品となることは無かったでしょう。

ただ、ドラえもんに対して「ある感情」を、絶対に抱かないということに最近気づきました。


それは「同情」、英語で言えばSympathyという感情です。


ドラえもんには同情しない

これはどういうことだろうと、小一時間考えました。

ドラえもんという作品には小学生(より前)に出会い、何時間も観てきました。映画ではハラハラドキドキし、泣いたこともあったと思います。ありがとう、ドラえもん。のび太くん、頑張れ。自分の感情は揺れ動きます。自分と同じように、きっと日本中の小学生が感動したはずです。

しかし、「ドラえもん、頑張れ」と思うことは少なく、のび太くんに対して抱く感情をドラえもんに向けることは無かったように思います。ちなみにドラえもんはかなりおっちょこちょいで、ひみつ道具を慌てて出すときは大体あれでもない、これでもないと中身を出しまくります。

この向ける感情のアンバランスさというものを、ドラえもんという作品は絶妙にコントロールしていることに気づきました。ドラえもんに同情するのではなく、「役立たずなドラえもんに翻弄されるのび太くんが可哀そう」という感情を抱くようなストーリーにされているのです。

ドラえもんは道具ではない。それを理解しつつも、ドラえもんなら何でも解決してくれるという期待感、超常的なひみつ道具への期待感、そういったものが「普通の人間」とは一線を画した存在として知覚させます。

ここまでの話はあくまで私の感想なので、人によってはドラえもんに同情することがあるかもしれません。ドラえもんは人間と同じ感情を持つ(ように振る舞っている)ので、それに対する応答というのは、結局のところ受け手の問題、ということになるでしょう。


受け手の問題をどの程度理解するか

結局は受け手の問題ということになれば、ずっとロボットに依存する人が出てきたとしても、当人が満足ならばそれで良いということになります。

これは遠い未来の話ではありません。AIとの会話に夢中になり、帰らぬ人となった方が既にいます。

家族などリアルな人間関係と、AI・ロボットとの人間関係。結局どのような形が最適なのかは、新たなロボットが出現するたび、その都度考えていくしかないのかもしれません。その辺りはスマートフォンなど、新技術が出てくる度に議論される内容とそこまで変わらない気がします。そもそも20世紀前半における家族のあり方は既に崩壊しており、サザエさんを通してかろうじて面影だけが継承されている状態です。

思考実験のきっかけとして、「AIの遺伝子」などのアニメ作品はこれからも重要だと思いますし、より実践的な側面に関しては、ヒューマン・ロボット・インタラクション (HAI) などの研究分野が欠かせないと思います。

HAI研究第一人者の石黒先生が開発したジェミノイドは、もはや不気味の谷を超えています。


私が考える理想の関係

現在アニメ化中の「AIの遺伝子」では、人間と同じようにロボットも発達していくという世界観が繰り広げられます。色々ツッコみながらも、もしロボットが隣にいたらどのような関係を築きたいか、考えを巡らしてしまいます。

私は人間よりもロボットと仲良くなり、できれば煩わしい人間関係はロボットに任せ、猫型ロボットと一生を共に過ごしたな、と思っています。

そんな日が早く来ることを願いつつ、それではまた次の記事でお会いしましょう。






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