day8ー強制されているときは自発的な場合と脳活動が異なる

Coercion Changes the Sense of Agency in the Human Brain https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(16)00052-X?

強制されたときと自発的なときは脳活動が異なるという知見

背景

古典的にはミルグラムの実験で明らかになったように、人間は他者に不利益を与えるような行為であっても、命令されている状況下では行使しがち。今回の実験ではそれを追証するとともに、EEGによって脳活動を測定する。

方法

実験2では、被験者をagentとvictimに分けた。agentに対し、指に電気ショックを与える行為と、お金を奪う行為を2つの条件で実施。1つの条件は実験実施者により強制されている状態、もう一方の条件は自発的に行う状態。

結果

矯正されている状態では反応が鈍い。同時に、EEGでN1というamplitudeが低く、より受動的な状態と脳活動が類似。(ただし見たところ、波形にほとんど違いはない…)

考察

ミルグラムの実験で明らかになった知見を再現できた。脳活動にも違いが出てくる。

所感

脳活動の差は超微妙だったので、脳活動をコントロールしてより従順な人間を作るマッドサイエンティストな未来は全く見えない。「強制する」という行為を一時的に命じたところで効果は薄いといったところ。
判断するという行為は「仕事だ」みたいな信念とか、相手に対しての信頼感とか、文化とか色々なファクターがあるので、認知神経学的な実験での知見はこれが今は精一杯だと率直に思う。

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