マコなり社長の有料サービス発表が炎上して、なかじさんが炎上しなかった理由
9月1日、アフィリノオトのなかじさんがチャンネル登録者が1万人を超えたのを機にYouTubeのメンバーシップを立ち上げると発表されました。
「無料で配信してて有料サービス発表すると燃えるよなー」と思っていたのですが、動画の低評価は少なく、Twitterでも好意的なツイートしか見られなかったため、意表を突かれました。
理由は、7月30日に有料サービスを発表したマコなり社長の炎上が記憶に新しかったからです。
高評価1.6万に対して低評価が9,000強。
もちろんなかじさんの動画とは、公開してからの時間経過や分母も違うので、単純には比較できません。
しかしYouTubeのコメント欄を見ると、反応の違いはかなり顕著に見て取れます。
ちなみに私はマコなり社長もなかじさんも尊敬しています。
お二方の有料サービスにもこれを機に参加しました。
しかしこのnoteでは感情論と有料サービスの中身はとりあえず置いておいて、なぜこんなに違いが出たのかを勝手に考察しました。
※マコなり社長の「社長」が敬称でもあるため、今回は「さん」づけを省略しました。
マコなり社長となかじさんの動画の共通点
あとから相違点を考察していきますが、最初に共通点を挙げておきます。
その方が相違点になる部分の影響力の大きさがわかりやすくなるからです。
その共通点とは
・YouTubeの構造上、思うような情報発信ができないために有料サービスを立ち上げる
・有料サービスではもっと濃い情報発信をしていく
・お金儲けでやっているわけではない
というかなり根幹的な部分です。
この部分はほぼ同じなのに、なぜ「お金儲けでがっかりしました」と「有料サービスは当然」とまで差が出たのか?を紐解いていきます。
マコなり社長の有料サービス「Makonari Inside Stories 」を発表したYouTube
マコなり社長とは、プログラミングスクールのテックキャンプやテックエキスパートを運営している株式会社divの社長である真子就有(まこ ゆきなり)氏の愛称であり、YouTubeチャンネル名でもあります。
ホリエモンやマナブ氏ともコラボしたりしているインフルエンサーのお一人です。
では時系列順にまずはマコなり社長の動画から見てみましょう。
タイトルで煽りすぎた?
マコなり社長の動画のタイトルは「【ご報告】YouTubeもう限界です...」というもので、このタイトルで「YouTubeやめちゃうの!?」とびっくりした方も多かったようです。
サムネールにも「重大発表」とありました。
結果的には、このタイトルが反感を買った大きな一因と言えます。
コメント欄を見るに「YouTubeやめちゃうのかな」と心配しながら動画を見た人の中で、有料サービスの発表を見て「騙された!」と思われた方もいらしたようです。
マコなり社長はネガティブ系のタイトルで目を引くプロスペクト理論(損失回避バイアス)をよく用いられていますが、今回は目を引いたものの、反作用も大きかったように感じました。
「プロスペクト理論はなんぞや?」という方はこの記事も読んでみてください。
気持ちを込めて訴えたけど裏目に出た
おそらくマコなり社長はこの動画では特に想いを込めて話されたのだと思います。
拝見した私自身も「すごく感情がこもっているな」と感じました。
ですが、今回はそれが裏目に出たのでは、と推測します。
私はいろんな情報商材レビュー記事を書いているので、その手の動画もよく見るのですが「感情を込めて呼びかけたがゆえにその手の動画に似てしまった」印象を受けました。
「お金儲けに興味はない」
「世の中に貢献したい」
これらはマコなり社長の本心だと思いますが、残念ながらその手の動画の常套句でもあるのです。
そしてマコなり社長、いつもは動画で「皆さん」と呼びかけていることが多いと思います。
今回は「あなた」と呼びかけてしまいました。
「あなた」と呼びかけるのも、その手の動画でよく使われる手法ですし、今までの距離感からいきなり近くなり、それがお金に関わる新サービスの話だから警戒した人も多かったのではないでしょうか。
視聴層が変わってしまった
冒頭の動画でもマコなり社長はおっしゃっていたとおり「裾野が広いコンテンツをつくった」がゆえに、必ずしもマコなり社長に共感する人だけが視聴するチャンネルではなくなってきました。
ネガティブな印象を多用する余り、動画一覧の色合いも結構暗めです。
最近の一覧はこんな感じ。
逆に今までの視聴者で「変わってしまいましたね」と離れた方もいらしたと思います。
その結果、学びを得るためではなくて、過激な言い回しに興味を持っただけの人たちが増えてきたのかもしれません。
そこで煽り強めのタイトルの動画で有料サービスを発表したことから、一気に「広い裾野から来た人々」に叩かれることになりました。
コメント欄を見るに、よくわからず有料というだけで面白がって叩く内容のコメントがいいねを集め、さらに乗っかる人が増え、悪意のあるコメントが加速していったのも見て取れます。
まさに炎上の図式です。
数を追ってターゲットがブレたのが今回の炎上の最大の原因
だと私は考えています。
では次になかじさんのケースを紐解きます。
なかじさんが有料メンバーシップサービスを発表したYouTube
なかじさんとは、アフィリノオトというブログを運営してWeb業界(アフィリエイト)も15年にもなる、生きる伝説級の猛者です。
「稼ぐための発信」をしていてもブロガー界隈からも叩かれず、イケハヤ氏と仲良くしてても「情報商材屋」と揶揄されない稀有な存在。
それは実際の作業量と実際の成果が見て取れてしまうので、文句の言いようがないことが大きいと思います。
ブロガーとしてのなかじさんの知名度があったとしても、
毎日動画を上げて4ヶ月でアフィリエイトに特化した情報発信でチャンネル登録者数が1万人超えるって、作業量も戦略もバケモノとしか言いようがない。(褒めてます)
ということで、なかじさんの有料メンバーシップを発表した動画を紐解きます。
タイトルですでにメンバーシップと告知している
まず、大きく違うのはタイトルですでに「登録者1万人達成のお礼とメンバーシップ発表」としているところです。
さらに動画の冒頭1:20までに「お金を払ってメンバーシップには入らないと考えている人は今回の動画は見なくていい」と告げ、見る人を選別しています。
この時点ですでに「タイトル詐欺だ!」とか「時間を返せ」というクレームは封じられました。
いつもどおり淡々としていて距離感も変わらない
なかじさんの今までの動画と見比べていただくとわかりますが、びっくりするくらい通常営業です。
淡々としていて「自分の気持ち」は話しているものの、感情がそこまでこもっていることもありません。
「あなた」と呼びかけて距離感を詰めることもなく、いつもの「動画をみてくれているみなさん」に対して話しています。
「いつもどおり」なので視聴者も過度に入り込むこと無く、純粋に「サービスの告知」と受け取ったのだと思います。
良い意味で、マコなり社長の動画のように感情が動かなかったのでしょう。
視聴者層が限られている
なかじさんが発信している内容は「アフィリエイトに特化した内容」です。
明日から会社で活かせる知識もないこともないですが、基本的にはブログアフィリエイトをしている人に向けた情報発信です。
それも「ブログを始めようか迷っている人向け」ではなくて「ブログまぁまぁやってるけど鳴かず飛ばずで悶々としている」中級者以上向けなので、さらに裾野は狭くなります。
そのため「面白半分で見てます」という方はほぼおらず、みんな「稼ぎたい!」と切に思っている方が大半です。
そもそも視聴者層が「稼ぎたい」という気持ちが大なり小なりある人たちなので嫌儲的な考えの人はまず皆無です。
そのため有料サービスに文句を言う人がいなかったというのも大きかったでしょう。
サービスの有料化は悪なのか?
私は有料化はまったく悪いことだと思いません。
むしろ無料サービスでいきなり投げ出すより、有料でしっかり対応してくれる方がよっぽど誠実だと思っています。
というかマコなり社長もなかじさんも、サービスの有料化ではなく「有料サービスの案内」です。
実は無料で見続ける人にあまり影響はないのです。
今までの動画は無料で見られるし、これからも無料の動画配信もする。
プラスアルファで有料サービスを立ち上げたので、興味のある人はどうぞ。
という内容に対して「そんなに儲けたいのか!」と怒ったのなら、逆に「あなたに関係ないのでは?」「無料でなんでも求めすぎでしょ」と思います。
ただマコなり社長の重大発表の動画に対して「最初から有料サービスの案内って言ってよ」とか「心配して損した」と思った気持ちはわかります。
きっとタイトルをシンプルに「新サービス始めます」のようなものなら、そんなに炎上もしなかったかと思うのです。
マコなり社長の有料サービス紹介が炎上したのはただ単に「告知の仕方がまずかった」だけだと考えています。
そしてなかじさんはその炎上要素をことごとく排除していたように思います。
ということで、同じような発表をしたのに炎上の差はどこにあったのか?と考察してみました。
ちなみに私は以前自分の記事がマコなり社長に取り上げられたことがあります。
この時は前髪をあげていらっしゃいましたが、今は初期のような髪型に戻られていてちょっと嬉しいです。
今回取り上げた動画では感情を込めたのが裏目に出たと考えていますが、マコなり社長の感情がこもっていて、個人的に好きな動画がこちらです。
私としては、マコなり社長もなかじさんも「お金儲けに興味はない」とおっしゃっていたことに嘘はないと思います。
ですが「赤字を出してまでやる気もない」もあると思います。
有料=お金儲けと安易に考えがちですが、何をするにもお金がいりますし、価値があるものをなんでもかんでも無料で受け取ろうとしていては、コジキと揶揄されても仕方がありません。
無料で価値のある情報を受け取れているのは決して当たり前ではなく、ただただ発信者の厚意であることと、それに対する感謝の気持ちを忘れたくないな、と思います。
冒頭にも書いたとおり、マコなり社長のInside Storyにも、なかじさんの有料メンバーシップにも参加したので、私もネタバレや規約違反にならない程度に、参加しようか迷っている人の判断材料になるような情報発信もまたしていきたいと思います。