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京都日記

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たまにふらりと
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#京都

そのままの京都日記(01.12)

そのままの京都日記(01.12)

朝はまだお腹が空いていなくて、淹れてもらったコーヒーをゆっくり飲む。

お昼はcookknollさんへ。「どうしてもまた、あのフレンチクルーラーが食べたい!」と切望していたら、彼が予約してくれた。骨付きチキンのハーブ煮込み、ハンバーグ、自家製パンを頼んで、ふたりでシェア。

ハンバーグ、ふわふわ。チキン、ほろほろ。ハンバーグのソースも、煮込みのスープも、パンにつけて、余すことなく食べる。美味しい、

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そのままの京都日記(01.11)

そのままの京都日記(01.11)

2025年1月11日(土)

朝は食べず、淹れてもらったコーヒーを啜る。いつも日記の書き出しに迷い、そうだったこれは「そのままの日記」だった!と思い出す。でも「朝は食べず、淹れてもらったコーヒーを啜る」の一行の中にだって、本当は覚えておきたい瞬間があったはずなのに、と惜しい気持ちになる。

ひとつ思い出したのは、部屋に陽が差し込んだときに「いい天気になってきたね」と彼が言ったこと。これは書いておこ

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そのままの京都日記(01.09-01.10)

そのままの京都日記(01.09-01.10)

1月9日(木)

考え事をしながら、晩ご飯の準備。今夜はおでん。大根は厚めに皮を剥いて下茹で。練り物とお揚げは熱湯をかけて油抜き。こんにゃくは塩をかけて臭みを消したら下茹で。昆布と鰹節で出汁をとって、じっくり煮込む。正しい順序に沿って淡々と作業をしているうち、だんだんと心が落ち着いてくる。

気持ちの所在が見つからない日に、踏ん張る胆力を身に付けたい。考えても仕方のないことからは一旦離れて、自分の

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そのままの京都日記(01.08)

そのままの京都日記(01.08)

京都で仕事をしていると、六本木という街は本当にあるのだっけと、ふと思うほど、すべてが遠く感じる瞬間がある。それは逆も然りなのだけれど。

朝は食べず、昼はひとりだったので簡単に。キャベツと玉ねぎのお味噌汁、それから目玉焼きを焼いて、醤油をたらりとかけて、ご飯の上にのせた。

夜に楽しみな予定があったので、日中の仕事が捗った。定時で仕事を切り上げ、今日はじめての外へ。昨日よりさらに冷え込んだ空気。

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そのままの京都日記(01.07)

そのままの京都日記(01.07)

9時に起きる。鼻にふれる空気がつめたい。さむいさむいと言いながら、階下へ降りる。熱くて濃いコーヒーを淹れてもらう。今日は有給。

いつもより時間をかけて支度をする。この日は真っ白なニットを着ると決めていた。ピンクのチークを下瞼にものせて、睫毛は上げすぎないように。下瞼のチークは、むーちゃんが「うさぎさんみたいでかわいいよ」と教えてくれたから。

外へ出ると、きんと冷えた空気。今日はなにが違うでしょ

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秋の京都滞在 | 緑杢色のコート

秋の京都滞在 | 緑杢色のコート

11月7日(木)

薄紙に包まれたお菓子を、指先でそうっと取り出す。コインのような形で、表面に小さな白鳥が型どられていた。強くつまめば簡単に割れてしまいそう。口に入れると、ふわりとシナモンが香り、あっというまに舌の上でほろほろ消えた。

いつもより丁寧に髪をおろして、ベージュのタートルネックを着る。ブラウンのプリーツスカートを合わせて、首元には白いスカーフを緩く巻いた。顔周りに白が入るだけで、素朴

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秋の京都滞在 | タルトタタンをひとつ

秋の京都滞在 | タルトタタンをひとつ

2024年11月5日(火)

新幹線の中、ウェールズの『タイムマシン』をひらく。この秋は児童文学を読みたい気分。この本は栃木のbullock booksさんで購入した。

新幹線で暗闇を移動する自分と、タイムマシンで時空を移動する主人公を重ねながら、臨場感たっぷりで読み進める。

物語は名古屋駅に着く頃に最高潮の盛り上がりに差し掛かり、京都へ到着するぎりぎりのところで、幕を閉じた。

いや、面白か

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春の京都滞在 | 夜の植物園

春の京都滞在 | 夜の植物園

4月1日(月)

「ここを超えたら、春の京都だ。」

そう心で唱えて踏ん張っていたから、桃源郷に向かうような気持ちで新幹線に乗り込む。本当は「これをやり遂げました!」というお土産話を両手いっぱい抱えて会いに行きたかったのに。唯一話せるのが「残業が80時間だった」なんて情けない。

京都駅まで迎えに来てもらい、バスで北へ向かう。バスの中「最初に桜を見つけた方が勝ちね」となって、私が最初の1本を見つけ

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夏の京都滞在 | 真夜中のアイスクリーム

夏の京都滞在 | 真夜中のアイスクリーム

7月25日(木)

昼、キッチンから香ばしい匂いが。一階に降りるとチャーハンができていた。具材がたくさんで美味しい。台湾で買ったホタテの調味料を入れたみたいで、旨味もしっかり。一緒に買ったものが食卓に出てくると、なんとなく嬉しくなる。

18時半、今度はスパイスの香りが。キッチンで彼がカレーを作っていた。野菜をブレンダーで滑らかにしている。冷蔵庫をのぞくと、ジップロックの中で漬け込まれたブロック肉

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夏の京都滞在 | どしゃぶりの巡行

夏の京都滞在 | どしゃぶりの巡行

7月24日(水)

朝、桃を食べながら「巡行って何時からだろう」と調べたら、もうはじまっている!と気づいて、慌てて家をとび出す。

ああ、呑気に桃をほおばっている場合じゃなかった。

今日も恐ろしいほどに暑い。じりじりとした肌の感覚は、いくら日焼け止めを塗っても不安になる。

地下鉄で四条まで。到着すると、人、人、人の渦。湿気と熱気でサウナみたいだ。しばらくすると、遠くからお囃子の音が聞こえてきた

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夏の京都滞在 | 丸太町の夜

夏の京都滞在 | 丸太町の夜

7月23日(火)

京都へ行く新幹線の中、スピッツの「桃」を聴きながらこれを書いている。このイントロが好き。

さっきからずっと、隣に座っているおじさんがたのしそう。駅弁のお品書きをじっくり読んだり、富士山が見えたら慌ててスマホを構えたり、肩越しに高揚感が伝わってきてくる。

わかります、この時間がいちばんたのしいですよね、と心で話しかける。おじさんはどこへ行くのだろう。いい旅になりますように。

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