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京都日記

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#わたしの旅行記

そのままの京都日記(01.09-01.10)

そのままの京都日記(01.09-01.10)

1月9日(木)

考え事をしながら、晩ご飯の準備。今夜はおでん。大根は厚めに皮を剥いて下茹で。練り物とお揚げは熱湯をかけて油抜き。こんにゃくは塩をかけて臭みを消したら下茹で。昆布と鰹節で出汁をとって、じっくり煮込む。正しい順序に沿って淡々と作業をしているうち、だんだんと心が落ち着いてくる。

気持ちの所在が見つからない日に、踏ん張る胆力を身に付けたい。考えても仕方のないことからは一旦離れて、自分の

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そのままの京都日記(01.08)

そのままの京都日記(01.08)

京都で仕事をしていると、六本木という街は本当にあるのだっけと、ふと思うほど、すべてが遠く感じる瞬間がある。それは逆も然りなのだけれど。

朝は食べず、昼はひとりだったので簡単に。キャベツと玉ねぎのお味噌汁、それから目玉焼きを焼いて、醤油をたらりとかけて、ご飯の上にのせた。

夜に楽しみな予定があったので、日中の仕事が捗った。定時で仕事を切り上げ、今日はじめての外へ。昨日よりさらに冷え込んだ空気。

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そのままの京都日記(01.07)

そのままの京都日記(01.07)

9時に起きる。鼻にふれる空気がつめたい。さむいさむいと言いながら、階下へ降りる。熱くて濃いコーヒーを淹れてもらう。今日は有給。

いつもより時間をかけて支度をする。この日は真っ白なニットを着ると決めていた。ピンクのチークを下瞼にものせて、睫毛は上げすぎないように。下瞼のチークは、むーちゃんが「うさぎさんみたいでかわいいよ」と教えてくれたから。

外へ出ると、きんと冷えた空気。今日はなにが違うでしょ

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秋の京都滞在 | 緑杢色のコート

秋の京都滞在 | 緑杢色のコート

11月7日(木)

薄紙に包まれたお菓子を、指先でそうっと取り出す。コインのような形で、表面に小さな白鳥が型どられていた。強くつまめば簡単に割れてしまいそう。口に入れると、ふわりとシナモンが香り、あっというまに舌の上でほろほろ消えた。

いつもより丁寧に髪をおろして、ベージュのタートルネックを着る。ブラウンのプリーツスカートを合わせて、首元には白いスカーフを緩く巻いた。顔周りに白が入るだけで、素朴

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夏の京都滞在 | どしゃぶりの巡行

夏の京都滞在 | どしゃぶりの巡行

7月24日(水)

朝、桃を食べながら「巡行って何時からだろう」と調べたら、もうはじまっている!と気づいて、慌てて家をとび出す。

ああ、呑気に桃をほおばっている場合じゃなかった。

今日も恐ろしいほどに暑い。じりじりとした肌の感覚は、いくら日焼け止めを塗っても不安になる。

地下鉄で四条まで。到着すると、人、人、人の渦。湿気と熱気でサウナみたいだ。しばらくすると、遠くからお囃子の音が聞こえてきた

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夏の京都滞在 | 丸太町の夜

夏の京都滞在 | 丸太町の夜

7月23日(火)

京都へ行く新幹線の中、スピッツの「桃」を聴きながらこれを書いている。このイントロが好き。

さっきからずっと、隣に座っているおじさんがたのしそう。駅弁のお品書きをじっくり読んだり、富士山が見えたら慌ててスマホを構えたり、肩越しに高揚感が伝わってきてくる。

わかります、この時間がいちばんたのしいですよね、と心で話しかける。おじさんはどこへ行くのだろう。いい旅になりますように。

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