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映画『カランコエの花』とLGBT

高校の同級生の中川駿君が監督をした映画
『カランコエの花』を、
出来立てホヤホヤの映画館、アップリンク吉祥寺で観てきました。
(カラフルで可愛い映画館でした〜)


知人が創った映画を観るのが初めてだったから、
映画って、だれかが創っているんだよなぁ、
という、当たり前がより鮮明に浮き上がって、

映画の始まりは、「お話も、撮影場所も、演者も、タイトルのフォントも、これ全部を手配したんだ!」となんだかドキドキ。

私は、趣味が文を書いたり絵を描いたりの1人完結型なので、
生きている人たちをたくさん取りまとめて、完成図の中を歩かせるっていう、
そのスケールの大きさとか包容力とか要するエネルギーとかを想像するだけでくらくらして、
ただ単に一本撮りきるだけでもすさまじいことだなぁ。

映画は、
高校の日常生活のなかで、
ふとしたやり取りの中、
LGBTの問題が浮き彫りになるお話。

少数派であるという事実だけで
みんな無自覚のうちに、
自然に場に生まれてしまう暴力。

他のみんなが笑うことに
いっしょになって笑うのは
簡単だし、楽しい。

その怠惰な笑いのせいで、

罪のない個人の心や、存在の根幹みたいなものが
ぐしゃっと潰されてしまう。

自分のなかにある雑なふるまいの
怖さを感じた。

ただの高校生の可愛い恋話が、
対象の性が異なるだけで
世界が少しズレたような違和感と、
「どうしよう」という不思議な恐怖が生まれる。

何も悪いことをしていない女の子が
深く深く傷ついて涙することに
涙がでた。

ただ素敵だなぁって思っただけ。
ただ好きだなぁって思っただけ。
ただ近づきたかっただけ。

その感情を、
他人から否定され、
自分でも否定しなくちゃいけないって、
どんな気持ちなんだろう。

好きなものを好きでいる自分を
おかしいと否定しながら生きるのって、

すごく孤独で
正解がなくなっちゃって、
心細くて、悲しい。

実っても、実らなくても
誰もが堂々と笑って
好きな人を好きだと言える、思える、

そういう世界が広がるといいな。

ただただ違いを
「そうなんだ」と受け入れられる余裕を、
まず自分から。


映画の後には監督と俳優さんたちのトークショーがあった。


短編映画を劇場で上映するというのはほとんどないことらしく、
撮っている最中はそんなこと考えられなくて、

それが映画祭とかに出していたのが評価されて、
口コミが口コミを呼び、

劇場公開が140日以上というロングラン中らしい。

LGBTの人も多く観ていて、
この映画を観て自分を肯定できるようになった人、
こんなにリアルに苦しみが描かれている映画はないから、もっと広まって欲しいという人、

とにかくいろんな思いが、
この映画を広めていってるみたい。

人が心を込めて創ったものは、
なかば「生きもの」のようで、

それをみた人の感情、ことば、行動を通して、
いろんな人の心の中を
どんどん飛び移り、広がり、大きくなっていく。


たくさんの人の心の中を飛んでいって、

無自覚な暴力が和らいで、
堂々としていられる人が増えますように。

いらない常識は
塗り替えられていきますように。

映画館を出るとき、
忘れられてるかもしれない、、、とちょっとドキドキしながら監督に声をかけたら、
覚えててもらえてうれしかった。笑


東京での上映は、
アップリンク吉祥寺が最後で、
12/20までとのことです。

お早めにどうぞ。


#カランコエの花 #映画 #アップリンク吉祥寺 #LGBT

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可愛くておもしれー女になる道 | みけ みわ子
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