ネット上で売り出している手作り商品に追加オーダーの問い合わせがあったんだが。
結論から言うと、そのオーダーを実質的にみけ子はお断りした。オーダーしてくれた訳だし、つまりはその商品をとても気に入ってくれたのだろうから、非常にうれしい出来事ではあったのだけれど。
その品物をネット上に出した直後は、特に反応はなかった。評判になっている訳でもないようだった。素材も吟味して試行錯誤で作った物。出来れば問い合わせなり、購入していただければうれしかったんだが、アップしてしばらくは特に動きらしい動きはナシ。
自分としては、かなりお気に入りの作品だった。だから自分では「別に売れなくてもいいや」と思っていた。見つけて購入してくれる人がいるならば大歓迎だが、もし値下げ交渉とかが入っても値下げをするつもりは全くなかった。
そんな折の、オーダーの問い合わせだった。出品してある品物と同じ生地で、別デザインのものをもう1点作ってもらえないか。その場合、2点合わせてのお値段はいくらになりそうか?という問い合わせだった。
みけ子は一瞬喜んだよ。この品物に注目しオーダーしたい位、気に入ってくれた人がいる‼️素晴らしい、それはもう飛び上がらんばかりにうれしい話だ。
だけどさ、その後に自分は考えたね。確かに生地もデザインも吟味して作った、オリジナルの唯一無二の品物だ。だけど、これからまた別デザインの物を改めて作ってその方に販売する?今商品として出している物を購入するだけなら良い。だけどもう1点、改めて別なモノを作るのはどうか。
生地も買い足す必要があり、他の仕事をしているみけ子が何かを改めて作るとなると、睡眠時間を削っての作業になる事は目に見えている。そこまで一生懸命にやるか?やるならその品物にいくらの値段なら自分は納得が行く?
そう考えて、一般常識的?に考えるであろう値段に2割増し程度を乗っけた「決して安くないお値段」を、みけ子は提示した。もしかしたら問い合わせして来た人は、提示された値段の半分程度しか想定していなかったかもしれない……って値段だよ。多分、追加オーダーはして来ないだろうな、と思いつつ。
みけ子の返答に対しては、想像通りの反応が返って来た。お値段がちょっとお高めなので検討します、との事だった。まぁ、そんな感じで当然だろうね。
生地が余っていて手元にあり、すぐに制作に取りかかれるならば、もう少し安い値段でオーダーを受けても良いかな、と少しは考えた。しかし、手元には残りの生地はほとんど残っていなかった。また改めて買う?だけどこの生地を買ったのは2年前のこと。もし買ったお店に無いのであれば、取り寄せるなどする必要もある。そういった一つ一つの手間を考えると、気安く引き受けたり安い値段で売ったりなんかは出来なかった。
作っている側のワガママや思い上がりといえはそうかも知れない。だけど欲しいのに自分で作れないからオーダーしようと思ったんでしょ。値段が合わなければそれは仕方がない。無理に売るつもりはない。自分も思い入れのある手作り品だ。値段が合わないならば他をあたってくれ。自分はそんな感じであったよ。
話はそれるが、この写真を見て欲しい。これ、みけ子が先日とある場所で見つけて買った、小さなクマのあみぐるみだ。
7〜8センチほどの大きさ。細い毛糸で編んだくまちゃんに配色の良い肩掛けブランケットが着せてある。ブランケットは手織り❗️細部まで非常に丁寧な作りで考えられていて、とても愛らしい。このあみぐるみ、いくらだったと思います???
これ「800円」だったの。みけ子には異常なくらい安い、と感じた。だからよそで手作りの品物を買うことってほとんどないけれど、この時ばかりはほぼ即買いよ。それでね、この品物を売っていた場所って、福祉作業所の入所者さん達の制作物を売るマルシェだったのよ。
手作業にかかる手間と、出来上がるまでの試行錯誤。ああでもない、こうでもないと逡巡しながら一つの品物を作り上げる難しさ。確かに楽しいしやり甲斐はあるけれど、そのやり甲斐に乗じて安く入手しようとばかり考えるのはどうなのか。作り手の作業所の入所者さんの、手取りはいくらなのか?
何でも金額に換算して算出出来ることでもないし、そんな大雑把なくくりだけで考えて良いこととも思えない。だけどこの愛らしいくまちゃんを手にすると、手作り大好き派としては何とも複雑な思いが沸くのよ。
みけ子の場合に話を戻すと、手作りの品物が売れるチャンスだったのかも、なんだけどどうもねぇ、手を使って一つひとつ作る品物を安く出すつもりは今は無いの。
これだからさ、道楽だって言われれば全くその通りだわね。
↓少女の憧れを絵にした、昭和時代らしい雰囲気のカップ&ソーサーとシュガーポットのセットです。デッドストックのお品物は貴重です。