重大ミスと再発防止について

最初に

この記事は3Dモデラーの”霧島みけ”と同業の友人の話をまとめたものになります。
自分への戒めと、同業または同じ作業をされる方への参考になればと記事を作っています。
ここで紹介する内容についてサービス名及びイベントやツールの名前は伏せさせていただきます。

基本的な考え方

どんな作業内容であれパッケージングして提出や公開を行う時点で最終確認を行い問題がないかチェックをすることが非常に重要であり、責任もまた作成した本人にあるのでツールに問題があれど言い訳にはできません。
また、自分のミスで大勢の方やイベントそのものに影響する大きな迷惑をかけてしまい取り返しのつかない事態に発展することも考えられます。

作業を引き継ぐ場合もチェックを怠らないことはもちろんですが、引き継ぎ後の別の人が作業を行った物に関してはチェックをするのが難しい場合もあるかと思います。
こちらに関しても引き継ぎ後の内容について可能な限り意思伝達と最終チェックを自分で行ったりテスターさんにチェックしてもらうなど確認作業が重要です。

そして他人や道具のせいにしないこともまた重要です。
中には不効率だとか重要な手順が含まれていないイベントやチェック漏れなどもあるとは思いますが、根幹に自分のミスがあればそのまま表に出てしまいます。
自分のミスではないと断言できるならともかく、通常であれば否がなくともイベント運営側のミスで結果的に自分のミスが表に出てしまうような事態でもやはり自分の否があると言えます。
何より責任転嫁は自分の成長に繋がりません。

以下実際に起きたミスについて紹介します

ショップの製品販売価格が0円になる

とあるショップではWeb上での商品情報を編集して公開するという作業が必要になるのですが、時々反映できずエラーメッセージが出て”ページを手動で更新する”必要があります。

この際、一部作業内容がロールバックしたりアップロードしたデータは存在していても選択が外れてしまっていたりなど問題が発生していることがあります。

そして重要なのがデフォルトの販売価格は0円であるということで、1500円に設定した商品がエラー後ページ更新で0円になることがあるのです。

この問題に関しては、該当サービスが下書き状態を確認できるのでエラーの有無関わらずしっかりと価格と内容物の確認を行う必要があります。
下書きがないサービスの場合は公開後に同様の確認を行うことです。

名前の違う商品が混入する

衣装など対応アバター別に販売する場合は大量に取り扱うと少なからずミスの1つや2つぐらいは発生するものです。
中でも[Aアバター用][Bアバター用]の内容物が入れ替わってしまうなどの問題が発生することもあります。

これはシンプルにパッケージング作業時にフォルダ選択を1列分ずらしてしまいそのままパッケージングしてしまったというもの。

この問題はエクスプローラー上で出力したパッケージングを並べて容量順でソートすることで確認することができます。
全く同じデータであれば容量は同じになるのでミスをしている可能性が高いと判断することができます。

また、切り取りで並べてフォルダへ入れ直すとこちらもミスの元となってしまうので確認用フォルダへコピーして確認する方が安全です。

想定してないマテリアルが割り当てられる

Unityで作業しているとクラッシュに遭遇することがあると思いますが、この時データがロールバックすることがあります。
正確にはエクスプローラーで閲覧できるProject内のデータではなくHierarchy上の作業内容がロールバックすることがあるのです。
これはUnityのHierarchy上のSceneデータは手動または自動で保存されるので、不意にクラッシュすると前回の保存されたデータまでロールバックするということです。

さて、これで何が起きるかと言うとロールバックしたHierarchy上の作業データAとPrefab化している作業データAが差分作成後などで内容が異なる場合に思ったものと違うものを上書きしてしまうことがあるということです。

わかりやすく言うと、[マテリアルAを割り当てた衣装A]と[マテリアルBを割り当てた衣装B]があるとします。
Aを複製してBを作成して衣装Bに対してマテリアルBを割り当てたあとにロールバックしたとしましょう。
するとAを複製して[マテリアルAを割り当てたままの衣装B]が生まれてしまうのです。

これに気づかず作業を行うと場合によっては大変なことになるのでクラッシュ後の重要な変更についてはよく確認する必要があります。
私はこの後完全に余計なデータを分離したくそのまま作業をしてしまい、結果的に想定していないデータが混入した分離Projectを作ってしまいました。

メッシュベイク時にメッシュが消える

一部メッシュベイクツールでは”素体以外がすべて消える” ”下着やアクセサリーが消える”なんてことがあります。
これは前者の原因は不明ですが、後者はベイクの設定をいじろうと試行錯誤しているうちにメッシュの割当を消し飛ばしたり、「選択後に除外と思っていた操作」が実は「欄内一番下に割り当てられている物から除外する操作だった」など凡ミスや仕様を把握していない故に発生する問題です。

また、日本語(マルチバイトや2バイト文字)で命名してしまいツールが日本語非対応でエラーを吐いてしまい除外されることもあります。
これは特殊文字やマルチバイト文字をシェイプキーに使った場合も一部環境で発生する問題です。

自分が「これは1バイト文字だ」と認識していても実は2バイトだったなんてことはよくあるので、バイト数を確認できるWebサイトもあるので活用してみてください。

この問題には派生する問題もあって、ベイク後にオリジナルとベイク後のデータを一緒に表示してしまう仕様のツールの場合、消えているものに気づかず「問題ない」と判断してしまう場合があります。
また、大抵はこの手のツールは元のモデルを非表示にしてベイク後のモデルを表示してくれますが、何度もベイクしていると関係ないモデルを表示したままベイク後のモデルを同時に表示して”ないはずの物があるように見えてしまう”こともあります。

この問題も「マルチバイト文字を使わない」「ベイク後のデータを選択して動かしてみる」など一工夫することで回避できる問題であり、ただ見るだけではチェックにならないことがあります。

ミスをした後の考え方

重大なミスをやらかすとずっと同じことを考えて精神的に落ち込む方もいると思います。私も何度も考え込んでしまいストレスから逆流性胃腸炎やうつ病や不安症を発症したことがありました。

正直、今でも考え込むクセがあるので自分なりの考えとしては「ミスをしない」というのが大原則となります。
また、病院で言われたことですが「私達だってミスをするし誰だってミスはあるけど、それを反省して次に活かせないのは良くないかも知れないがずっと考え込むことはない。それが原因で自分が体調を崩すと困る人達がいるからしっかり反省したら自分をいじめる必要はない」と言われました。

言葉で言われるのは確かにその通りではあるのですが、実際のところ自分の性格や考え方は簡単には変えられないものです。
ミスの再発防止とその方法についてしっかりと把握することが重要だと思います。


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