感情大奉行
昔は考えるのが好きだった。
心の動きやとらえ方、世界が等身大に見えていた。
いまは感情の波に揺さぶられながら全く
考えることをやめてしまった。
うまく日々を送れないのでいっそ止めてしまいような気もおきるのだが
いかんせんどうにも悔しいくらい先がない。
あがいてみたくてふいに日常の中で
自分のうつくしいと思うものを言葉に明かしてみた
ひかり、風の音、匂い、雨の触感、全てを事細かにつたえることはむつかしい。
しかして心とともに失うがままにしておくにはあまりにもこの世はうつくしすぎる。くやしい。
冬の晴れた日の空の青さ、
樹々を揺らすあたたかな空気、
天の高いところで流れ続ける冷たい流れ、
明るく広い翼の白い鳥、
芝生にひっくり返って頬にちくちくとした触感を感じつつ見上げる星空
ひとつひとつを思うと胸がいっぱいになり、どうにかこの世にとどまりたい思いに駆られる。
やっぱり基本は生きていたいし
うまくやっていたいんだな。
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