ユネスコ教育勧告2024の「教育の目的」、残りも試訳してみる

ICT活用に関する12こ目 (l) だけ試訳を書いていた。残りも試みた。
いやはやUNESCOさん。やはりものすごく贅沢な要請勧告です。

国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告

(※この勧告名は1974年勧告に対する文部科学省仮訳と同じ。)
国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告:文部科学省 (mext.go.jp)

6. 具体的には、教育は変革的であるべきであり、識字能力と計算能力の強固な基礎を築き、次のような知識、技能、価値観、態度、行動の発達を可能にするものでなければならない:

(a) 分析的・批判的思考:
常識や慣行、意見を疑い、複雑な体制や多文化環境を批判的に分析・理解し、権力の力学や、国同士、民族同士、自然環境との相互関係、地方・国・地域・世界レベルの相互関係を理解する能力。

(b) 予測能力:
平和で公正、平等、公平、包括的、健全で持続可能なすべての人の未来を促進するために、変化の担い手として行動する能力、将来起こりうる可能性及び脅威を評価し理解する能力、新たな可能性に適応する能力。

(c) 多様性の尊重:
すべての人間、宗教を含む文化、政治、その他の思想への平等な尊厳と権利を理解し尊重する能力。また、人々の要望やものの見方、平和的な行動を理解し、多様な価値観を尊重する能力。

(d) 自己認識:
自分自身を知り、それを評価し、感情を理解・調整し、共感を覚えそれを示し、他者を尊重し、地方、国、地域、そして国際社会における役割を自覚するために、自分自身の価値観、意識、行動を自覚し、批判的に振り返る能力。

(e) 共通でかつ多彩な人類と地球という惑星とのつながりと帰属意識:
健全な地球、そしてお互いや他の生物、自然そのものの必要性や権利を尊重する責任を共有する地球共同体としての人類の理解。

(f) エンパワーメント、主体性、レジリエンス:
危険、目的の競合、不確実性に対処しながら、地方、国、地域、世界レベルの課題に対して、効果的、積極的、自覚的で責任をもって行動し、対応するための動機づけ、自信、能力。

(g) 意思決定能力:
行動の影響を評価し、多種多様な情報源から入手可能な情報を用いて意思決定を行う能力。

(h) 協調能力:
建設的な方法で感情や意見を効果的に伝え、協調的に対話し、参画的に計画を立て、問題解決に取り組む能力。

(i) 適応力と創造力:
急速に変化する環境や多様で移り変わりの激しい状況において、適応し、関与し、革新し、成功する能力。

(j) 市民性スキル:
倫理的で責任ある市民として行動し、デジタル時代において、地方、国、世界的な文脈の中で、市民生活や社会生活に充分に参加するための能力。

(k) 平和的な紛争解決と変革のスキル:
平和的かつ建設的な方法で紛争に対処し、その防止に貢献し、暴力と敵意の連鎖を断ち切るための能力。

(l) メディアと情報のリテラシー、コミュニケーションとデジタルのスキル:
情報や知識を、さまざまなチャンネルやテクノロジーを通じて効果的に検索し、アクセスし、批判的に評価し、倫理的に作成し、利用し、広める能力。それはまた、オンライン・オフラインを問わず自分の権利と責任を理解しつつ、そして、デジタルの安全性を高め、プライバシーを保護するために、安全で効果的、洞察力に富み、敬意を払った方法でデジタル環境に関わりながら、偽情報や誤った情報、ヘイトスピーチ、ジェンダーに基づく暴力を含むあらゆる形態の暴力、有害なコンテンツ、オンラインでの虐待や搾取に対してレジリエンス(回復力)があり、それらを察知でき、それらに対抗する能力も意味している。

(↑(l)だけは再掲)

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