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猫田による猫田のための、ネクタイ。
ネクタイの結び方は主に、
アナグマさんに教えてもらいました。
この事実は私の人生の中で、
好きというかかわいいというか、
いとおしいというか。
大切に抱えておきたいことの一つです。
『わすれられないおくりもの』っていう絵本があります。
実家にあった絵本のひとつなのだけれど、
いなくなってしまったアナグマさんの思い出を、
他の生き物たちがひとつひとつ語り合うお話。
その中でキツネが話した思い出というのが、
幼少の頃にネクタイの結び方を教えてもらった話。
ネクタイを結ぼうとしながら絡ませるキツネの子と、
慣れた手つきでネクタイを結ぶアナグマさん。
絵本の中には二人しかいなかったのだけれど、
絵本の外で私はキツネの子と一緒に、
アナグマさんにネクタイの結び方を教えてもらったのだ。
高校の制服にはネクタイがついていました。
くっつけるだけじゃなくてちゃんと結ぶ形式のもの。
アナグマさんのことを思い出しながら、
記憶を頼りにネクタイを結んだような気がします。
私はキツネと違って一つの結び方しかできないけれど、
私の中にもアナグマさんが生きている。
猫田による猫田のための、ネクタイ。