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追い続ける背中
帰郷したとき、
父は空港まで迎えに来てくれた。
後部座席から見えたのは
語らずして語る
大きな背中。
そして
家に着いて
荷ほどきをしてたら
僕の仕事だったはずの
お風呂のセットがしてあった。
風呂場にある
弟の体を洗うタオルに
区別のためのマークがある。
使い古して
だいぶその印が
落ちてしまっていた。
あるとき
ふとタオルを見ると
その印が濃くなっていた。
こういうのに
気がつくのは
母しかいない。
僕に壮大な
目標はないけど
少なくとも
どれだけかかっても
追い続けたい背中が
二つはある。