【ポケポケ】リザードンを選んだ君にこのナシボットを授けよう
Pokémon Trading Card Game Pocket(以下ポケポケ)がリリースされて早数日。
この記事は「「毎日パックをちょいちょい剥けて楽しい!」「コレクションがメインだよね!」と自分に言い聞かせながら、Twitterや攻略サイトの最強デッキを確認し「EXが多すぎて組めねぇ……」と萎びたピカチュウになっている方に捧ぐものだ。中でも最初のパックでリザードンを選択し、ナッシーEXの元手があるユーザー向けとも言える。
断っておくと、筆者に実績は一切ない。元のポケカのプレイ経験は砂利にカードを広げていた頃までさかのぼるし、知識も本当に動画をたまに見る程度だ。紹介するデッキも間違いなく「最強」ではない自信があるが、逆にその程度の知識量でも「そこそこ」勝てるデッキだと胸を張ってお勧めできるともお伝えしたい。
さて、御託は置いてとりあえずこのデッキを見て欲しい。私が近頃「だれかと」で主に使っているナッシー×ウツボットのデッキだ。
コンセプトとしては
1エネで最大80点を叩き出せるナッシーEXで早期に殴り合いを仕掛ける
→削り残してベンチに逃げた非進化EXや、ぼっ立ちしている進化元のポケモンをウツボットでまんまと引き寄せ殲滅する
事を目標としている。
「弱そう」と感じた人も正しいし、「強そう」と感じた人も正しい。「安そう」と感じた人は一番正しい。EXポケモンの枚数が2枚(最初のパックによっては1枚)で済む上、リザードンのパックだけをひたすら剥けば揃う要求カードの楽さも主張点だ。ただし、その程度の安さであれば(リザードンを選んでいた場合を除き)同等あるいはもっと安価に組める可能性があるので、続けてこのデッキの魅力をいくつかに分けて紹介する事にする。
各種サポート/グッズの選定基準や入れ替え候補のカードの解説もその後に行うつもりであるため、読み飛ばしたくなった部分は読み飛ばしてくれて構わない。
ナッシーEX+エリカの驚異的殴り合い性能
メインアタッカーとしてナッシーEXを見た場合、1エネで40(+40)点出せる「トロピカルスイング」がそのすべてだ。なぜなら他の技も特性も存在しないためである。しかしながら、コインが絡むとはいえトロピカルスイングの性能は高めに設定されており、1エネから走り出して80点を連打できた場合生き残るポケモンはほぼ存在しない。
コインを投げて表が出るかは運だが、ポケモンのHPが50~80である時の相手は「50%で目の前のアタッカーが葬られる可能性」を常に考えなくてはならない。また、そもそも「ほぼすべてのポケモンがコイン次第でツーパンされ得る」という事でもある。このプレッシャー性能の高さも魅力で(ちなみにサンダーEXやガラガラEXを触っていれば同意いただけるだろうが、コイントスで表が出る確率はそれが有効であれば有効であるほど低い)、それと高水準なHPにより、ナッシーEXはメインアタッカーとして十分な性能であると主張したい。
HPについて触れたが、具体的にはナッシーEXのHPは160点だ。これがどの程度かというと、早期に出して相手のサポーターや進化元、非進化サブアタッカーと対峙した程度ではそうそう倒れない事はもちろん、HPがマックスであればミュウツーEXの必殺技「サイコドライブ」クラスまでを耐えきることが出来る。ここにエリカの50点回復を噛ませると、「ねんどうだん」+「サイコドライブ」まで耐久可能だ。お互いの必要エネを考えると、真っ向からの殴り合いでも分の悪い戦いではない。もちろんこれはミュウツーに限った話ではなく、自分より優れたアタッカーに対しても初速の速さと耐久力により一定の戦果を挙げることはたやすい。
くさタイプにだけ許された50点回復で上手いこと相手の計算をずらし、一度でも多くトロピカルスイングの試行回数を稼ぎダメージレースで優位に立っていきたい。
先行3TナッシーEXの押しつけという「先攻の方が強い」要素
このゲームのシステム面において、先攻と後攻の違いは大きい。とくに先攻では「エナを貼り付けられず、わざを使えない」事が大きく、相手の非進化アタッカーの攻勢に晒され後手に回る時にそのデメリットが顕著になる。一方で「カスミ」を使えるデッキでは、先行1ターン目にカスミによるエネブーストを行う事でわざの使用が可能になってしまっており、上記のデメリットを無視しやすい。時に理不尽なほどに。
このデッキでも近しい理不尽の押しつけが可能で、走り出しこそ先攻3ターン目と一歩遅いものの、ナッシーEXの着地に成功すればカスミに頼ることなく80点(に50%でなる技)を連打する事が可能だ。上述した通り、もし80点を序盤から連打されてしまった場合に耐えうるデッキは少なく、先行での着地に成功した場合かなりのアドバンテージがある。進化元のたねポケモンなどであればワンパンも現実的(50%)に可能だろう。
先攻を取った場合でもウキウキでゲームを始められるのは悪くないメリットだと思うのだがいかがだろうか。
このデッキに限らず1エネで機能する強力なアタッカーを有するデッキは先行3ターン目での押し付け性能が高く、2エネで強力なアクションを取れるデッキは後攻4ターン目が強い。いわゆる「マイナー」なカードを使いたい時、ここに主眼を置いてみるのも良いかもしれないとこの記事を書いていて思った。
ウツボットの初見殺しによるEXポケモン環境へのメタ性能
サブアタッカー兼スイーパーとしての役割をこのデッキでは担っている。二進化としては2エネ60点の「つるのムチ」はエネに対する効率はともかく打点の高さに不安があるポケモンだが、特性「かおりのわな」がそれを帳消しにするレベルで強い。進化元にするようなたねポケモンであれば「かおりのわな」で引き寄せることでほぼ確実に1ポイントを稼ぐことが出来る。また、ナッシーとの戦いで手負いになった非進化のEXアタッカーへのトドメも刺しやすい。
こちらはナッシーが1エネから殴りかかるため、「壁として立てられたポケモン(ひんし)+削れた主力EX」or「主力EX(ひんし)、中途半端なエネのサブアタッカー」のような状況を作りやすい。こういう状況では、ウツボットが倒せる相手を適当に引き寄せて掃除していくだけで簡単に1+2ポイントの獲得による勝利を狙っていける。
ナッシーに割くエネが一つで良い以上、殴り合いの消耗戦でお互いの主力が倒れた後有利なのはこちらのはずだ(コイン次第ではナッシーだけで勝てたり、その逆もしかりではあるが……)。
また、ウツボット自体があまり警戒されていないのか、マダツボミを見た後でもHP60以下のたねポケモンが出てくる/居座るケースが多い。その場合相手のポケモンEXさえ倒せてしまえばほぼ勝ちが確定する。相手が無警戒そうなら、ウツドンからウツボットに進化させ「かおりのわな」を見せるタイミングをズラすのも知られていない今のうちではあるが有効になり得る。
1ポイントを稼ぎやすいウツボットは、EXポケモンの殴り合いになりやすい=2ポイントまでは手に入れやすい現状に合ったアタッカーだと言えるように思う。もちろん火力自体は大したことないので、相手のメインアタッカーと殴り合うのはナッシーに任せたい。
ゲーム中に必要なエネルギーが少ない
紹介した通り、ナッシーが要求するエネルギーは1、ウツボットが要求するエネルギーは2である。バトル場のポケモンに付けた後にエネルギーが余りやすく、「にげる」のための確保や後続の育成にエネを回しやすく、「エネが足りなくて負け」る負け方が非常に少ない。バトル場のポケモンが倒され/逃げ た場合でも、裏から出てくるポケモンに戦うためのエネルギーが充填されていることが多いのも魅力だと個人的には思う。サポーター専業のポケモンが居ない分、アタッカー不足によるストレスも少ない(ただし進化が上手くいくかには左右されてしまう)のもこれを読んでいる誰かにはセールスポイントになりうるかもしれない。
強みと構築理念はこんなところだ。もし面白そうだと思ってもらえたら、組めそうならで良いので組んで欲しい。わざわざこのデッキを組むまでするかは怪しいが、リザードン+ファイヤーデッキを組もうとした場合などは実は結構、いつの間にかパーツが揃っているのではなかろうか。
ちなみに筆者は「ウツドン」だけが足りず、ゲットチャレンジでウツドンを求め血眼になった。構築難度などというものは結局の所人によるとしか言いようがないのだ(台無し)。
最後にグッズ/サポーターの軽い解説と、入れ替え候補となるカードをいくつかピックアップしておく。
グッズ/サポーターの選定基準
モンスターボール、博士の研究、エリカの3種6枚に関しては当確であると理解いただけると思うため、スピーダーとナツメに関して解説する。
スピーダーは「ウツボットが殴れれば勝ち確定」の状況で、ナッシーをスムーズに下げウツボットが攻撃するためのエネを確保する使い方が多く、個人的には抜けないと考えている。実質的なこのデッキのエネ加速カードである。攻撃に使うエネが少なく済むので、「にげる」後の展開を組み立てやすいデッキであることも採用理由だ。
ナツメに関しては「ナッシーでベンチに座っているたねポケモンをボコボコにしたい」「相手メインアタッカーの準備が整うのを妨害したい」状況で場を引っ掻き回すために使う事が多かった。非進化のEXでないサブアタッカーを採用しているようなデッキ相手だとトロピカルスイングでワンパン出来ないHPの敵が出現することがあるが、その場合ナツメを使って後列に圧をかけてやると「圧をかけた対象をそのまま倒せる」「ベンチから戻ってきたサブアタッカーを削れる」の二択になり、こちらの望む試合展開にしやすかったように思う。
ただし、スピーダーに比べれば採用優先度は低いというのが私の個人的な感想だ。対面操作は既にウツボットが高水準でこなせるからである。
入れ替え候補
・ナッシー(非EX)
現状机上の空論だが、EXでないナッシー(以降素ッシー)をアタッカーに添える事で素ッシー、ナッシーEX、ウツボットの三体で戦うデッキにする案が強いのでないかと模索中である。
素ッシーはHPが160→130、わざ威力が40(+40)→30(+30)にダウングレードしてしまうものの、2ポイント取られないため後続のポケモンを動かしやすいメリットがある。進化元のたねポケモン程度であれば「ふみつけ」でワンパン出来る可能性があるのは同じであり、可能性を感じている。ただし、ダウングレードした分相手のアタッカーとの殴り合いの結果は純粋に不利を負いやすい。
たねポケモンはサーチしやすいものの進化先を手札に持ってきにくいゲーム性であるため、素ッシー+ナッシーEXで合計3枚ほどを取っても面白いかもしれない。
・サカキ
純粋にダメージを+10点するだけだが、HPが「90」や「130」など、40の倍数+10の相手に対して明確に確定数が変わる有用なアイテム。ウツボットが70点のたねポケモンを単騎で取れるようになるのもかなり感触が良い。「ナツメ」と迷い最終的に採用しなかったものの、欲しくなる場面はかなりあったため入れ替えで採用しても全く問題ない。
・レッドカード、ポケモン図鑑
レッドカードは「安易に研究で手札を増やしたまま展開しなかった相手へのお仕置き」、ポケモン図鑑は「博士の研究/各種進化先へのアクセス成功率の向上」(上三枚を見た後、モンスターボールを持っているならいつでもシャッフルできることに留意)という役割がある。それぞれ光る部分があるため、好みの要素に応じて「ナツメ」あたりと入れ替えてみても良いだろう。
本デッキの紹介は以上となる。読んでいただいたことに感謝するとともに、もし質問や感想があれば筆者のTwitterアカウント(@mikawayafrog)までお願いしたい。良いポケポケライフを!
ちなみに筆者はエリカの☆2を手に入れるまでは少なくとも遊び続けるつもりだ。このデッキを組んだのは「エリカが使える」ただ一点で構想したものである。