そばちょこ1000個観る。
週末に
大阪日本民芸館の春季特別展『そばちょこ 衣装持ちの器』を観に行きました。
大阪日本民芸館は万博記念公園の中にあります。
あの岡本太郎作『太陽の塔』がある万博記念公園です。
大阪モノレールを万博記念公園駅で降りて
そこから公園に入場して、てくてくてくてく歩くこと15分(以上)。
万博記念公園の奥の奥にあります。遠いです。
民芸館に入って、第一展示室のドアを開けて思わずのけぞりました。
かなり横に長い展示室。
その壁沿いにガラスの展示ケースと、中央にいくつかの展示ケースがあるのですが
それぞれの中に整然と、小さなそばちょこがびっしり並べられていました。
チラシによると
『大阪日本民芸館で収蔵するそば猪口の多くは……江戸時代の伊万里焼』
だそうで
『蒐集家の佐藤禎三氏より1979年に寄贈いただいたコレクション』
で
『3000点に及ぶそば猪口コレクションより約1000点をご覧いただきます』
とのこと。
これはもう、なんなら民芸館にアルバイトとして雇ってもらって
毎日ちょっとずつ眺めていきたい……と思う量。
とりあえず、入り口そばの展示ケースから見始めましたが
そばちょこ自体小さいですし
一個一個じっくり観ていたら、とても最後まで気力が持ちそうにないので
「もし『一個好きなのあげる』と言われたら、どれ貰おかな?」
と勝手に頂きたいモノを選びながら展示物を観ることにしました。
以下、貰って嬉しい順位です(会場は写真撮影NG)
海の波に入道雲と鳥???
3本のライン、モクモクの曲線、肩を並べる丸い点と
不思議なモチーフのバランスが楽しい絵柄です。
他のそばちょこに比べてサイズが小さめ。6〜7センチぐらい。
さほど古くないのか、艶があって綺麗でした。
人が描かれているものは動きがあって楽しいです。
口の内側に模様が描かれていますが、外側は人だけなので
すっきりとして良いなと思いました。
『曳船』という題が付いていました。
単純な絵柄で笠と蓑をつけている人、舟を曳く足の動きが可愛いです。
仙厓の絵が思い出されます。
雲海(大波?)の向こうに屋根と木が見えます。
おおらかで大胆に描かれた曲線と、屋根の色ベタが
小さなそばちょこの白地にインパクトがあって目を惹きました。
シンプルな線だけでふわっと描かれているので「何だろう?」と眺めてしまいました。たぶん、雲の間を昇っている龍。
龍はこんな風にも表現できるんですね。可愛いです。
松の葉です(たぶん)。干菓子などに用いられる松の葉の形。
松の葉の形、その藍色と白地とのバランスが良くて
実際に使ってみたら飽きないだろうなぁと感じました。
そばちょこの大半が藍色一色の中、
赤や緑の色で絵付けされているものは華やかに見えました。
緑はわらび?そして、レタリングのようなものが描かれています。
自分が貰って嬉しいものを選んでいたら
やっぱり、そばちょこ全体に模様として絵付けされているのより
ある一つの世界が、パッとインパクトを持って描かれているものに
私は惹かれました。
あと、欠けた部分に金継がされてるものは
その金継の小さな金がまた良いワンポイントにもなってる気がしました。
チラシが大胆で目をひきます。