消えたお雛さま。
週末にかけて5日ほど実家に帰っていました。
母が東京の施設で暮らすようになって
一年。
今は誰も住んでいないけれど、私には愛着もあるし
いずれ田舎に移住したい若い家族に住んでもらうとか
いろんな可能性を考えて
なるべく綺麗に保っていたいと思っています。
実家に着くと、着替えもそこそこに
まず部屋という部屋の窓を開けて風を通して
それから
ホワイトセージを燻した煙でそれぞれの部屋の浄化をします。
これが実家到着のルーティン。
さて。
燻したホワイトセージを持って
両親が寝室にしていた部屋を回っていたときに
あら?
とある異変に気づきました。
その寝間には小さな飾り棚があって
ガラスケースに入った日本人形とか、民芸品の土鈴とか
そんなものが雑多に飾ってあるのですけど
その中に、とっても古くて小さなお雛様があったんです。
黒い塗りの台に座った男雛と女雛。
私がその小さな古いお雛様に気づいたのは、母がまだ実家に居た頃で
私はこたつに座ってテレビを見ている母のところへ持っていって
「これ、母さんのお雛様?」
と聞きました。
そのとき母がどう答えたのか忘れてしまったのですけど
「いるんやったらあげるよ。大阪に持って帰って飾りな」
と言ってくれたものの
大阪の自宅にはお雛様を飾るような所もないので
私はそのまま、寝間の飾り棚にお雛様を戻しました。
……それが去年の話。
異変というのは。
そのお雛様が……ないのです。
あれ?お雛さんが……ない。
ここにあったお雛さん。ないよ。どこいったん?
ちょうどお雛様が座ってた黒い台のスペース分が空いた状態で
忽然と消えたみたいに……ないのです。
ほかの場所に持っていくはずないけど、探しました。
でもどこにも……ありません。
私はもしかしたら姉がお雛様を見つけて
「母さんのお雛様・・」
と思慕の念から持って帰ったのだと思いました。
そこで姉にメールで聞いてみました。
「お雛様、姉さん、持って帰った?」
姉からは
「お雛様??持って帰ってないよ」
私が大阪に戻る日、
姉がちょろっと顔を見に寄ってくれました。
お雛様の話をしたら
その小さなお雛様は、姉と私のために母が買ってくれたお雛様でした。
私は小さかったのでほとんど記憶にありませんが
姉の話では
私たちのお雛様は、木で出来た御殿のなかに飾られた
『御殿雛』だったらしく
母がそれを処分するときに男雛と女雛だけ残してあったようです。
御殿雛だったから、あんなにちっちゃなお雛様だったのか。。
いやいやいや。
どこいったん??お雛さん。
母さんのところ??
それなら良いけど(涙)