【イベントレポート】場づくりのはじめの一歩は、数人の仲間を見つけ、ビジョンを語ること。
こんにちは!Mikataba Centerスタッフの中野智文です。
今回は、ミカタバ大学の小さな場づくり講座NEXTと題して、名寄市のコワーキング&コミュニティスペース naniroBASE&Lab.の副所長を務めている黒井さんをゲストにお迎えし、場づくりやコミュニティ運営について共に知り、考えていくイベントを開催しました。
ゲストの黒井さんから、場づくりをするプレイヤーが生き生きと楽しく活動するための運営方法や、地域の人たちとのコミュニケーションで大事にしていることをMikataba Centerスタッフも一緒に学ばせていただきました。そのイベントの様子をレポートとしてお伝えします。
↓ミカタバ大学の小さな場づくり講座とは?を知りたい方はこちら
ゲストプロフィール
黒井 理恵 [Kuroi Rie]
北海道名寄市出身・在住。naniroBASE&Lab.副所長(名寄のコワーキング&コミュニティスペース)、NPO法人森の生活(下川町)理事 他。大学卒業後、東京の出版社、企業PR・ブランディング企画会社を経て、2014年にUターンし現職。前職ではCSRコンサルタントとして、多数の上場企業のCSR広報、マネジメント、理念づくりや、社会課題解決型新規事業のプランニングなどに携わり、現在は市民自治・まちづくりをメインテーマにさまざまなプロジェクトを実践中。2012年にブラジルでの「国連持続可能開発会議(RIO+20)」に市民団体として参加し、ジャパンパビリオンの外務省ブースを企画運営。北海道庁「北海道SDGs推進人材バンク」登録中。高校生から上場企業マネジメント層まで、SDGsや社会課題解決についての研修やワークショップを行う。
ファシリテーターはハブにならない
黒井さんは、北海道の名寄市出身。学生時代から持続可能な社会づくりに関心があり、大学卒業後に働きながらファシリテーションについて学び、その後ブランディング企画制作会社にてディレクター、コンサルタントを勤めていました。
そんな中、2011年の震災以降、周囲の人たちが地方都市に関わって小さな課題解決をしたり新しいことを立ち上げたりしている様子を見て、名寄にUターンを考え始めたそう。大きな企業で大きな課題を解決してきたコンサルティングの仕事を手放し、2014年にnaniroBASE&Lab.を立ち上げました。
そもそもファシリテーターは、「場を効率よく回す人という認識ではない」と黒井さん。黒井さんの考えるファシリテーターの役割は、みんなが話したいことを話せるようにするということ。そもそもファシリテートというのは、「促進する」「スムーズに運ばせる」「円滑にする」という意味。集団の中で人々の活動がスムーズにいくように支援したり、いろんな人が混在する集団で一人ひとりがパフォーマンスを発揮しながら集団としての目的に向かって走れるようにサポートすることだと話してくれました。良いファシリテーターは、イベント参加者に「あれ?あなた、どこにいたの?と言われるくらい、その場にいる人にファシリテーターをしていると気付かれないくらい自然に振る舞える人だ」という、言葉に参加者のみなさんもハッとさせられていました。
地域の人からの場の認識の変化
黒井さんは名寄にUターン後、出会った方と一緒に「名寄の街をもっと楽しく」を大事にした「なにいろ工房」を商店街の女性たちと結成しました。2015年に、コミュニティカフェ「なにいろかふぇ」を開業した頃は、子供や母たちが集まったり人が交わる場として地域の人に認知されていました。2016年ころから徐々にこの場所でどんなことをやりたいのかを考えながら集客していく段階になり、小物作家さんの作品販売などの小さなイベントから、夏には水祭りやアスパラ祭り、秋にはハロウィンというように大きなイベントまで常に何かしらのイベントを行っていました。
これにより、2年間で「なにいろ工房がつくる場=おもしろいイベント」と認識されていき、2020年から現在の場所に移転して、naniroBASE&Lab.というスペースになりました。
現在のnaniroBASE&Lab.は日中はコワーキングスペース、夜はイベント会場などとして新たな名寄市民の学びや何かを始める場として交流拠点となっています。また、地域と関わりたいという想いのある大学生たちが集まって好きなことをしながらも、その大学生が子ども向けのイベントに出店をするような関係性も生まれていっています。
何のために場を作りたいのか?を考えることで、場のデザインが変わる
地域には年に1回の数千人が集まる大規模イベントもいくつかありますし、私も当初はそういったタイプの大きめのイベントを企画していました。でも、商店街の活性化を考えると、年に1回の大型イベントよりも、月に1回の小さなイベント(5-10人規模)をたくさん打つ方が、地域の人が商店街に足を運ぶ機会が増えるんですよね。
そして、私がつくりたい「場」はなんのための場なのかを考えると、よくある交流・観光人口拡大をしたいわけでもないし、商店街の賑わいを取り戻したいわけでもない。はたまた、困っている人をケアしたいわけでも、名寄の街のブランディングに興味があるわけでもないと。黒井さんが本当に目指したい場は、「名寄というまちに向けてなにか始める人を増やす」ことと「その場にいる人たちがお互いの「やりたい」を応援しあう」ことだと気づきました。
『一人ひとりが、自分の街や生活を自ら良くしていこう、創り上げていこうという人材とコミュニティを創っていく』ことが黒井さんが目指す場であり、黒井さんなりのまちづくりへのステップたとお話してくれました。どんな場をつくりたいか、ビジョン・目指すものによって、場のカタチやスタイルは変わっていきます。
黒井さんはそのビジョンに向かって、仲間の「やりたい」の実現はもちろん、サポートしたい仲間たちのさまざまな「かかわり方」を用意し、負担になりすぎない、持続的なつながりと大切にしているといいます。
まずは人を知り、まちを知ることから
「まちの元気は経済活性ではなく、自分のやりたいことを形にしたいという人と場がたくさんあること」だと思う、と黒井さん。
という負の連鎖を、「人を知り、まちを知る」ことから始めることにより、丁寧で前向きなつながりができて黒井さんの目指す「楽しいことプラットフォーム」を作りたいのだと熱意を持って話してくださいました。
黒井さんから参加者への問いかけ
いま、「なんだかよくわからないけれど毎日忙しい....」「なにか日常にもやもやしている...」という方にぜひこの問いを自分に投げかけてみることをおすすめします。自分自身の言葉でいいので、まずは何かに書きながら考えてみたら、見えてくるはずですよ。
場づくりに興味がある方やすでに場を持っている方はぜひ、この下の画像の問いを自分に投げかけてみてくださいね。そもそも、自分の居心地の良い場をつくりたいだけなのではないか?ということもある気がするので、ぜひこの機会に考えてみてくださいね!
参加者からの質問コーナー
参加者からの感想
まとめ
今回の講座を受けて、「地域の面白い人たちと最初から繋がっていて、大きなイベントを 開催できるからすごい!」という認識が変わりました。そもそもどんな場をつくりたいのか考えながらも、地域の人に自分のビジョンの話をしてみる、来て欲しいなと思う5人に向けてイベントをやってみるなどの「小さな行動」を起こし続けていくことで、地域と楽しく関わる人が増えていくんだろうなと感じました。運営側やボランティアなどの立場を超えて、みんなで一緒につくる場づくり。あなたはどんな場をつくっていきたいですか?
ミカタバ大学夏の集中講座「Sustainable business camp 2022 summer」
8月20日-21日の2日間、環境にも、人にも喜ばれるアイデアを考えよう!
社会をよくする起業家に必要なものが学べるサマーキャンプ「Sustainable business camp 2022 summer」の開催が決定!今回ゲストとして登場していただく黒井さんにもメンターとして、ご参加していただきます!
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