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最低賃金を下回ることは可能なのか

コロナにかかって時間ができたのでnote投稿したいと思っていたのですが、そんな余裕はなく布団から出られませんでした。やっと余裕が出てきましたが、咳に悩まされています。

ということで題名の話に戻りますが結論から言うと基本は不可能です。今日なぜこの記事を書こうかと思ったかというと、社労士だった当時お客さんから最低賃金以下で働いている人がよくいるけど可能なのか?と質問を受けたことが印象に残っていたからです。

(労基法上の)労働者である限り最低賃金を下回ることは基本不可能で、例外として、以下の労働者については労働局の許可を得た場合のみ可能です。
  ①精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者
  ②試の使用期間中の者
  ③職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうちの一定の
   もの
  ④イ 所定労働時間の特に短い者
   ロ 軽易な業務に従事する者
   ハ 断続的労働に従事する者

では全国でこの許可を受けている人はどの程度いるでしょうか。最近のデータで見てみると1年間の許可人数は全国で約1万4千人だそうです。その中の約3千人が①でその他のほとんどが④のハ、断続的労働に従事する者となっています。②➂はゼロ人だそうです。
断続的労働というと寮やマンションの管理人、宿直業務などが当てはまるでしょうか。
この許可の有効期限は長くても3年で、今出ている直近3年を見るとどれも許可人数は1万5千人前後になっています。そうなると今現在の許可人数は多く見積もっても全国で4万5千人程度かと思われます。

私が質問を受けたときに応えたのは、例外として許可を受ければ可能な場合もあるけど、だいたいそういう場合は労働者じゃないのでは?
このような感じで答えたと思います。
でもお客さんの方は労働者だと言い切ったので、うーんどういうことだろうと悩みました。全国で4万5千人なので、少なくともよくということはないはずで、、、。まあ打ち合わせ前の雑談のようなもので、軽く流れた話なんですけど、労働者だとすれば聞いた内容からだと違法状態なのかなーと思っています。

最低賃金は今(令和7年2月時点)だと全国平均で1,055円、都道府県別でみると1番低い秋田で951円高い東京で1,163円だそうです。
だいたい毎年10月に最低賃金上がってますが、最低賃金から除かないといけない手当もありますし、人数が多かったりすると意外と確認から漏れていて最低賃金下回ってたーなんてこともよく聞く話です。間違えてましたならまだわかりますけどわかっててやってる悪質な会社もあるので、低いなーと感じてる人は自分で一度調べてみると安心かもしれません。
ちなみに最低賃金から除く手当は
賞与、残業代、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、臨時で払われる手当
となっています。

ところで、産業別最低賃金というのをご存じでしょうか。上に書いた全国平均1,055円というのは地域別最低賃金で都道府県別で決められます。それとは別にこれも都道府県別に決められますが、産業別の最低賃金というのが存在します。産業別最低賃金に当てはまる場合は当然地域別と産業別の高い方の(両方の)最低賃金をクリアしなければなりません。
例えば先ほどの秋田県で見てみると何業種か設定されており、自動車・同附属品製造業は1,020円だそうです。秋田で自動車・同附属品製造業に従事している場合は、951円ではだめで1,020円以上になります。
設定されてるのは製造業が多いかなという印象です。東京や神奈川なんかは設定はされていても地域別最低賃金の方が高くなっているので関係なくなっていますね。
産業別最低賃金も合わせて確認してみるとよりよいかなと思います。


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